TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生


*今年最初の旅

低気圧が列島を縦断したようです。

5日から九州へ出かけていました。

福岡のクラフトの店・梅屋さんに2泊させていただき、お宿のお部屋で「DVDブックうつわびと小野哲平」の原稿を書きました。

梅屋さんは、小野セツローさんにご縁をいただきました。

「セツローさんのスケッチブック」(ラトルズ)に掲載したセツローさんの野の花のスケッチのほとんどがこの福岡の梅屋さんに滞在中に描かれたものです。

昨年6月に出版した『やさしい野菜やさしい器』の出版記念イベントで、料理人のイチカワヨウスケさんとともに初めて伺ったのが昨年の秋のことです。

土地と人間には相性というものがありますが、初めて訪れた福岡は、これから何度も訪れることになるだろう…と感じる何かがありました。不思議なことです。初めて福岡空港に降り立ったときの、上空から見えた港周辺に点在する島々の美しい姿は、快晴の天気も手伝ってのことでしょうが、今も忘れられません。

梅屋さんのDMでは「小野哲平さん早川ユミさんの2人展」の葉書を作りました。そのときのコピー「土がある。布がある。」は、その後のお二人の展覧会(奈良・くるみの木さん)にもつながっています。

梅屋さんはクラフトのお店としては草分け的な存在のギャラリーです。福岡市の中心部から車で30分ほどの佐賀県の県境あたりに位置するといいますが、私のような土地勘のない人間にとっては位置はともかく、木々に囲まれ澄んだ水が流れる清らかな場所にあります。

オーナーの梅崎枝見子さんをはじめとして、スタッフの皆さんは気持ちの優しい方ばかり。空間にさりげなく活けられた野の花、隅々まで行き届いた控えめであたたかな心使いには、訪れるたびに、自分の体と心が満たされるのを感じます。


今年も梅屋さんとは、一緒に展覧会を行なったり、コンサートを開いたり、ともに感じて、ともに伝えることが多くなりそうです。くわしいことはまたゆっくりとお話していきます。


福岡から名古屋中部国際空港に降り、今年4月に行なう名古屋での器の展覧会の打ち合わせへ。
自分が福岡から名古屋行きの飛行機に乗ることがあるなんて夢にも思いませんでした。名古屋行きの話も、後日ゆっくりといたします。


旅から帰ると、普段見飽きたはずの景色が新鮮に思えます。しばらく離れていたうつわ祥見の空間も、器たちも、より親密に感じます。
明日から普段通りの毎日が始まろうとしています。