TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

北の住まい設計社 大阪店での器展について

shoken2007-02-14

鎌倉は夕刻になって風が強まってきました。

春の嵐と天気予報で言っていたけれど、本当にその表現がふさわしい。南側の窓を強く叩く風が吹いています。

今日もまた、北の住まい設計社大阪での「テーブルにあるもの。展」の続きの話を。

『うつわ日和。』という本を書いてから、器の展覧会をしませんか・・というお誘いを受けたことがありました。けれど、そうしたお話はすべてお断りしてきました。

今回、北の住まい設計社から同様のお話をいただいたとき、北海道の東川の本社ショールームを訪ねたときのこと、
「土ものの器は高台部分がざらついていることがあるので、器を並べたときに(商品である)テーブルの表面に傷がつくかもしれません」とわたしは担当の方に申し上げたのです。
すると、その方は笑って「いいえ、心配いりません。うちの家具はそうやって傷がついたら直すことができるのです。むしろご家庭では毎日その家具と暮らすことで時間が刻まれるように家具が育っていくところがよいのです」とおっしゃったのです。

そうか、無垢な木を使って作られた家具というものは、作り手がきちんと作った器と同じなのだ、とわたしはそのとき思いました。
それならば、一緒に伝えたいと願うことを、展覧会を通じて伝えられる。
そんなふうに感じたのです。

そこからはテーマづくりです。

食卓という家族が毎日集う場所に、あってほしいと願う器たちを、『テーブルにあるもの。』としてとらえるということ。

今回の展覧会のテーマが決まりました。

そうはいっても、心配はつきません。

これまではわたし自身が、器を手にしてくだった方と直接お話して器を手渡していくことができましたが、そうではなくなったときに、果たして大丈夫なのだろうか・・・。

けれど、今回、初日を終えて、その心配は杞憂であったことを感じ安堵しました。

北の住まい設計社大阪店の皆さんの、器に対する理解の心が痛いほど伝わってきたからです。

たとえば、私は器の裏には作家名の印した価格のシールを貼りますが、陳列する時に作家ごとに並べたり、わかりやすくプレートを並べることはしません。
それは、器を作家の名前や値段で見るのではなく、器そのものを感じてほしい、と願ってのことです。

けれど、そのことが、今回の展覧会で同じように行なえるかどうかは、実のころ心配していたのです。

初日の夕刻になって、お店のスタッフの方が「器って作った人、そのものなんですね。だから・・・ふだんなら商品にプレートをつけるけれど、この器たちにはつけられない。それは、器が人だからなんですね」とおっしゃった。
その言葉は、わたしにとって何よりも嬉しいものでした。


北の住まい設計社大阪での「日々の器を伝えるVOL.1 テーブルにあるもの。展」は、

2月25日まで開催しています。

定休日は、2月14日(水)と21日(水)の二日間。

みなさま、どうぞお出かけください。

北の住まい設計社 大阪店

「日々の器を伝えるvol.1 テーブルにあるもの。展」についてくわしくは

こちらをご覧ください。 電車でお出かけの方は、駅からタクシーがお勧めです。
http://utsuwa-shoken.com/kikakuten/kitanosumaiosaka.htm

さて、鎌倉のうつわ祥見では明日2月15日(木)から20日(火)まで 常設の器をご覧いただけるOPENDAYです。11時から17時まで。

くわしくは、うつわ祥見のホームページでご確認ください。

http://utsuwa-shoken.com