TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

  小屋を見に行く

先週末のこと、新潟県長岡へ矢尾板克則さんを訪ねてきました。

矢尾板さんと一緒に、曇り空の長岡の空の下「小屋」を見る旅です。

6月30日より7月7日まで行われる「矢尾板克則 小屋展」の打ち合わせというのが目的でしたが、それは自然に小屋の風景を訪ねる旅になったのでした。

車でしばらく走らせると、車道の脇にレンコン畑が見えます。


「降りてみましょうか」 農道に車を止めて 畑のあちらこちらに点在する「ポンプ小屋」のそばに行き、間近に小屋の姿を見ることができました。


小屋を飽きずに見ている二人の姿は、そばを通る人がいたら不思議に思われ、怪訝そうに見られたのでしょうが、人はほとんど通ることはありません。

ふたりとも、この時間、ほとんど言葉を交わさず、ただ風に吹かれてじっと「小屋」を見ていました。

この日のことは、今年初めて作る「+Plus」に書く予定です。


そして、もうひとつ。


昨日あたりから、次の本の原稿を書き始めようと思いはじめています。


わたしの本を書き出すタイミングは、もう自分の中でそれを待っているようなことがあるのですが、そろそろ「書かなくては」という気持ちになったようです。


その声に従って、本のイメージを高め、今までも文章を書き本を作ってきたし、きっとこれからも、わたしの本の作り方というのは、そういうところから発するものだと思う。


きっと、それは、こんな本を作ったら売れるだろうとか、今はこういうものが受け入れられる・・・等の出版事情から遠いものだと思うけれど、きっとずっと、わたしはこの調子で文章を書き、本を作っていくののでしょう。

そうして生まれた本が、誰かの手元に届き、捨てられないものとして傍に置いてもらえたら・・・。


いまの原稿を書き始める本とは違うけれど、今回の「小屋」をめぐる本はそれこそ商業ベースに乗らないだろうけれど、小さな、それでいてぐっとくるような本が作れたらいい。それからセツローさんの大人の絵本のような作品集も。


竹中直人さんが『さよならCOLOR 映画のためのうたと音楽』の中で、「ぼくにとって出会いとは『夢』なのだと思う」と書いていた。

わたしの「夢」は、わたしから生まれた本が、デザイナーや映像の作り手や、印刷会社の人々や、みなさんの力を借りて、一冊の本となり、誰かのこころに届くことかもしれない。


うつわ祥見では5月24日〜31日まで 『テーブルにあるもの。展』を行なっています。くわしくは、うつわ祥見ホームページ http://utsuwa-shoken.com


最新の本 『DVDブック うつわびと小野哲平』 

『DVDブックうつわびと小野哲平』オフィシャルページ http://dvd-teppei.com


「映画を観ているようでした」「ハナレグミの音楽に包まれている感じがした」「一度見て終るものではないのですね」「こういうものが世の中にある。それが励みになります」などなど、手にしてくださった方からのメッセージが届いています。