TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

矢尾板克則小屋展

7月になりました。

うつわ祥見では、6/30よりの「矢尾板克則 小屋展」が始まりました。

矢尾板克則さんの小屋の作品を初めて見たのは、2005年の暮れが押し迫った冬の日のことです。
古い建物の階段をのぼりドアを開けてギャラリーに入ると、ほぼ中央のテーブルに肩を寄せるようにして「小屋」はありました。

哀愁を誘うニュアンスのある色あい。朽ちていく様を表現したゆらぎのあるかたち。
陶板で組み立てられた小屋の作品に、むしょうに惹きつけられたのです。

矢尾板さんは、新潟県の長岡で作陶しています。なぜ小屋を作ったのか、彼はあまり言葉では語ろうとしません。

一方わたしは鎌倉だけではなく、「小屋展」をほかの場所でもやりたくて、さまざまなギャラリーを見て歩くことになる。
平行して、矢尾板さんとはこの1年あまり、「小屋」についてのメールのやりとり、お手紙や電話で、話をしてきました。

そして、そのやりとりの中で、
彼の中にある「小屋」と、わたしの感じる「小屋」も、もしかしたら違うのかしれない。でも、だからこそ、いいのではないか・・・。そんなふうに感じるようになりました。
「誰のこころの風景にも、小屋がある。そのこころの中に、それぞれに響く小屋展になれば・・・」そんな思いで、この展覧会を開こうと思ったのです。

その思いに、矢尾板さんは、ほんとうに応えてくださった、と今、小屋の作品を前に思います。

小屋の作品は約40点。かたちも色も、立つ姿も、それぞれ。すべて1点ものです。
かたむいて立っていたり、時間を経て朽ち落ちていく様、その静かな姿に、心打たれます。

矢尾板さんならではの表現の急須やマグカップなどの日常の器たちも展示しています。


矢尾板克則 小屋展は、2007年7月7日まで。
夏時間のOPEN 夕方6まで開いています。

くわしくは、うつわ祥見のホームページで。

http://utsuwa-shoken.com

「矢尾板克則 小屋展」は今年の12月、大阪のitohen、枚方市のソーイングテーブルでも行います。関西方面の方も楽しみにしてください。