TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

小屋といっしょに

矢尾板克則 小屋展も残すところ2日となりました。

今回は、一枚のDMを大事に「小屋」を見に訪ねてくださる方が多い。「何かわからないけれど、この葉書に惹かれて」と皆さんがおっしゃる。

展覧会の葉書は、単なる情報を伝えるものではないはず・・と思って、ふだん展覧会のDMを制作しているので、一枚の葉書が誰かのこころに届いたのだということが、素直に嬉しい。

そして、何よりも、今回の展覧会は、わたし自身が「行えてよかった」と思っています。

訪れた皆さんが、「小屋」の作品と離れがたく、長い方では4時間以上もいらした方もいる。
そして、いつもは時間をかけずに直感でよいと思う器を買い求める方に限って、今回は一つの小屋に決められず、「困りました、決まりません」とおっしゃっる。それだけ、作品が素晴らしく、こころを揺さぶる「小屋」が多いということなのだ。

わたしはこの「小屋」の作品を見て、飲めないお酒を飲みたいと思った。

作品を見て、そんなふうに、グラスを傾けてみたいと思ったことは一度もなかった。


それを矢尾板さんに伝えると「とても嬉しい。ぼくもよい音楽に出会うとお酒が飲みたくなります」とのこと。

いつもは夕方5時までなのだけれど、この小屋展は夏時間のオープン。夕方6時まで開いています。

今日は5時半を過ぎてから、涼しい夕刻の風が入ってきたのを合図に、とうとうスタッフのえっちゃんと一緒に、小屋を見ながらワインを飲んだ。

自家製のピクルスと、昼間のうちに作った夏野菜の揚げびたしと一緒に。

小屋展は実は鎌倉のほかのギャラリーでやろうという計画もあった。当初、矢尾板さんの「小屋」に出会って、白い壁の何もない空間で、「小屋」を見せたいと考えたから。お話を持ちかけてみるとすんなり展覧会の日にちも決まって喜んでいたのに、突然そのギャラリーが閉めることになってしまい、いったんは小屋展は宙に浮いてしまったのだった。

けれど、今日の夕方、ゆっくりとした気持ちで小屋と一緒に飲みながら感じたのは、この「小屋展」をうつわ祥見の空間で伝えることができて、本当によかったということ。

もしも、当初のギャラリーで行なっていたら、訪れた方が「小屋」の作品をこんなにも親密に感じてくださっただろうか・・・とふと思った。

あと2日間でこの展覧会は終わる。

けれど、「小屋展」は、わたしやスタッフのえっちゃんや、訪れてくださった方のこころの中で、ずっと続くのかもしれない。

そう信じられることが、わたしには嬉しい。



矢尾板克則 小屋展は、2007年7月7日まで。

夏時間のOPEN 夕方6まで開いています。

くわしくは、うつわ祥見のホームページで。

http://utsuwa-shoken.com

「矢尾板克則 小屋展」は今年の12月、大阪のitohen、枚方市のソーイングテーブルでも行います。関西方面の方も楽しみにしてください。