うつわとともに。祥見知生のブログです。

石田誠さんと江の島へ


今月15日から始まった「石田誠陶展」 たくさんの方々にお出かけいただいています。

初日に、一年前の「石田誠展」ぶりに足を運んでくださった方は、この日だけは仕事を休んで・・・とスケジュールを調整して来てくださったとのこと。嬉しいことです。

その方にもお話したのですが、石田誠さんの器の魅力は、「この器と生きていこう」と思わせる、そんな憎めなさと、懐の深さです。

「この器と歳をとっていきたい」と思う、器と、一緒に暮らす。

誠さんの器を見ていて、その、淡々とした「フツウ」なことがいいな、と思います。

器はなくても生きていける・・・と人は言うかもしれません、でも、なくてはならない「相棒」のように器をとらえる人間もいる。

展覧会を開いて嬉しく思うのは、そんなふうに器に肩入れする人間が自分ひとりではない、と感じられるからでしょうか(笑)。

もしそばに「石田誠」の器があったなら、とにかく一緒にしばらく暮らしてみることをお勧めします。この飄々とした中にあらわれる器の力は並大抵ではない。それを実感できる。器と人の関係はこうありたいと感じます。

初日の朝にはくやしさ半分「このまま石田誠の器の専門店になってもいい」と感じたくらい、今回も泣かされましたよ、特に年々よくなる白磁の色、かたちを超えた存在感には、驚きました。「あなたって人はどうしてこんな器を作るのよ」と責めたいほどです。

石田誠さんの器を、たとえば「この形の・・・」、もしくは、「この釉薬の・・・」とか、あるいは「このゆがみ具合の・・・」などという、一つひとつのことを論じても彼の器のよさを伝えることができない、そのことが素晴らしいのです。

そして思うのですが、穴窯の南蛮焼き締めの焼成を、基本的にたった一人で行うという極限の厳しさを経験する人間だからこそ、電気窯で焼成する「白磁」の器に、それ相当の奥行きが現れるのではないでしょうか。


とにかくも、17日、石田誠さんは元気に鎌倉に現れました。

湘南モノレールを「江ノ電」としばらく勘違いしていたというのが、彼らしいですね。ジョアン・ジルベルト東京コンサート2003年のCDが流れる中、笑い声が絶えない、楽しい在店の一日でした。

翌日の今日は、鎌倉は雲ひとつない晴天。午前中に一緒に江島神社を参拝しました。

江の島を案内したいと思ったのには、日本三大弁財天のひとつ、「江の島弁天様」に彼を引き合わせるのが目的です。

石段を登って参拝し、弁天様とご対面すると「いいかんじですねぇ」と案の定、喜んでくれました。

芸能の神様として名高い「江の島弁天様」ですが、わたしが帰りに「ロクロもリズム大切ですからねぇ」と言うと「はい、ギターの腕前もしっかり勉強します」とのこと。「ギターはいいです、ロクロです、ロクロ」と言うと、誠さん笑って帰っていきました。

石田誠陶展は、11月23日まで。

南蛮焼き締め、白磁、デルフト・・・。石田誠さんの「やきもの」の世界を、ぜひお出かけになり、ご覧ください。