TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

福岡の旅


今日は朝から肌寒く、半袖で過ごすことに慣れてしまった体に、秋風の冷たさが「季節は確実に変わっているんだよ」と教えてくれているようでした。

福岡から帰ってきて数日は、11月に出版される本の仕事が待っていました。

きのうは、高知から早川ユミさんがいらして、アノニマ・スタジオでデザインの打ち合わせ。

同じく11月発売の『日々の器』(河出書房新社)の表紙も、同日に決まりました。

福岡での日々は、素晴らしいものでした。

福岡市早良区石釜にあるクラフトの店「梅屋」さんは、何度訪れても、その透明な空気に自分のこころと体が包まれるのを感じます。

「なにげないもの」というものの、美しさが、この空間には隅々まで行き渡り、こころ配りがされています。


セツローさんの「野の花」のスケッチは、その多くが、この梅屋さんに滞在中に描かれたものです。

毎日の楽しみは、朝のごはん。

間引き大根のお浸し、ふきみそ、お漬物、出来立てのお豆腐、お味噌汁・・・。

静かで、ゆったりとした母屋のテーブルで、窓の外の木々が揺れる様子を見ながら、いただきます。

その美味しいことと言ったら・・・

「もう何もいらないなぁ・・」としみじみ思います。


わたしは、「心」という目に見えないものが、こうしてしっかりと受け取ることができるということを、梅屋さんの「佇まい」、スタッフの方の一つひとつの思いやりにあふれた仕草と言葉から、感じます。そのことを、深く学んだ旅でありました。

佐治晴夫先生、雲龍さん、そしてイチカワヨウスケ君、器展に来てくださった皆様。

講演会や、料理の会を手伝ってくださった皆さん、スタッフの皆様。

展覧会や音楽会、料理の会を通じて、大変多くの出会いがありました。

「ごはんのうつわ展」に来てくださった女性の「梅屋さんはいつもいつも来られる場所じゃないけれど、でも、来るといつもほっとするんです」という言葉が、印象的でした。

本当にそうなのですね。

ギャラリーというのは、ものを売るだけの場所ではないのです。

心というものを、通じ合い、分かち合う、そんな「心のあるものを受け取る場所」なのだと、改めて思います。


ごはんのうつわ展は下記の日程で行います

9月20日(土)〜9月28日(日)福岡・クラフトの店梅屋

10月4日(土)〜10月11日(土)明石・ギャラリー風来

10月25日(土)〜10月26日(日) 高知・高知県立牧野植物園

10月27日(月)〜11月7日(金) 花と器SUMI

11月3日(月)〜11月15日(土) 東京・馬喰町ART+EAT

11月8日(土)〜11月15日(土) 輪島・うつわわいち



うつわ祥見の次回展覧会は、

村木雄児陶展 2008年10月10日(金)〜10月17日(金)

11日土曜日は、村木さんが在店予定です。