輪島で
週末、石川県能登半島・輪島へ行ってきました。
「もうずいぶん寒いですよ」という地元の方のおっしゃる通り、やっぱりさすがに日本海ですね、冬の時計が鎌倉にいるよりも進んでいるように感じました。
雨模様の羽田を飛び立って一時間のフライトののち、眼下に広がったのは、みごとに美しい紅葉の森。
赤や黄色やだいだい・・・様々な色がそれぞれの色を引き立てあいながら混ざり合い、久々に美しい紅葉の山を眺めることができました。
はっきりとは言えないのですが、今回見たような紅葉を見たのは初めてのように思います。
北海道の、あるいは関東の山の、普段見慣れた紅葉とは何か違う色合いのように感じました。
空港が出来て間もない能登空港のこと、人の手の届かない自然な山の美しい木々の織り成す世界なのでしょうか。
空港から輪島までは、車で20分ほど。
町の中心に、趣のあるお店が続く「わいち通り」があり、その道筋に「うつわわいち」があります。今回の「ごはんのうつわ展」は福岡から始まって、明石、高知、東京と行われ、そして最後の「輪島」へ。
9人の力のある作り手の作品がところ狭しと並びました。
めし碗をゆっくりと選ぶ方、お鍋の取り鉢をずっと探していて・・・という方、客人用のめし碗を・・・という方、遠方からこの器展のために出かけてくださった方など、皆さんとお話しました。
「日々を愛する器選び」をテーマで行ったお話会では、蔦屋漆器店の蔵ギャラリーで、皆さんと一緒にテーブルを囲んでリラックスして器の話をゆっくりとしました。
使われた器と、新しい器を、両方手で包んでみて、「器が使われて育つこと」を感じてもらうように、皆さん一人ひとりの手に、器をまわして触ってもらうと、皆さん一様に驚いた様子です。
「こんなふうに、変わっていくんですね」「わたしもここまで育ててみたい」と皆さん楽しそうにおっしゃいます。
わたしは、書く人間ですから、決して話すのは得意ではありません。
でも、熱心に耳を傾けてくださる皆さんに力を借りることで、器のことを伝えることができるのです。
参加してくださった皆さま ありがとうございました。
輪島・うつわわいちでの「ごはんのうつわ展」は、11月24日まで。
ぜひ、皆さま、お出かけください。
○ごはんのうつわ展は、ただいま、東京・馬喰町ART+EATで行っています。11月15日まで。
○『日々の器』(河出書房新社 11月発売)出版記念展が、京都と東京で行われます。
くわしくは、うつわ祥見のホームページをご覧ください。
○次回、うつわ祥見の展覧会は、「吉岡萬理 陶展」です。 奈良から、萬理さんがいらっしゃいます。