TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

OPENDAY つながりということ


器を伝える仕事をしていて何より嬉しく思うのは、器を通じて人と人がつながることを、実感として感じることがあるからです。

人と人がつながるというのは、どんな秤をもっても正確には測ることはできません。
ただ、気持ちが通じたという幸福な実感が、人のこころをあたたかく満たすのです。

それは、きっと、とてもシンプルなものであると、わたしは信じています。

人間には裏もオモテもある。それは真実でしょうが、それでも、人のなかには「よい心」と呼んでいいものが確かにあり、それを失わずに育て続けることで、自分以外の誰かの「よい心」に触れることができる。

それが人にとって、どんな時代であっても変わることのない希望であるように思えてなりません。


今日のOPENDAY 

鎌倉は曇り空で、なんでもない月曜日の静かな時間でしたが、

とても嬉しいことがありました。


最初に訪ねてくださった若いご夫婦は「初めてです」と言われてましたが、
「実は友人に結婚のお祝いを、こちらの器をいただいたのです」とおっしゃいます。
「・・・それでずっと来たかったのです」。

おふたりで、おうちにある器たちとの相性や、好きな色や形を語り合い、ちょうどよい大きさの土ものの鉢を大事に選んでいかれました。お腹には赤ちゃんがいてあと少しで家族が増えるようです。

そして、その後には、鎌倉から北陸に嫁がれたご友人の出産祝いに「友人が、ここの器が好きなので選びにきました」と言う女性がいらっしゃいました。
わたしもよく知っている方でしたので、その方が喜んでくださる器をお勧めしました。
遠い場所に嫁がれたその方の毎日の暮らしを、あたたかく力強く見守るように、そんな器を選び、そうお伝えしました。

嬉しいですね。

器はモノであって、ただの「モノ」ではありません。

器を通じて生まれる人と人のつながりを、わたしは何よりも「幸福」に思います。


3月18日から始まる『セツローのものつくり展』のリーフレットを発送しました。セツローさんの作品も、これまでどれだけ人と人のつながりが生まれたことでしょう。こんな世の中だからこそ、幸せをつなぎたいです。皆さま、ぜひセツローさんの作品をご覧になってください。そして、そこにあるものを、こころで受け取ってください。



● うつわ祥見のOPENDAYは3月12日(木)までです。

     常設の器をご覧ください。




●セツローのものつくり展 東京で行なわれます

   セツローさんの80歳を記念して、

   東京・国立新美術館 地階 ギャラリーにて

  「セツローのものつくり展」が行なわれます。

   2009年3月18日〜4月20日   くわしくは、ホームページをご覧ください。