毎日更新3日め
今日も読んでくださって、ありがとうございます。
2009年は5月1日。「うつわ祥見」の新しい空間が鎌倉駅そばに生まれます。
そこで、4月1日から4月30日までの一ヶ月を、毎日、ここで文章を書くことにしました。
この一ヶ月は、とにかく毎日書いてみよう、と。
誰というわけではないけれど、自分とそう約束をしたくなったのです。
もし時間があれば、お付き合いください。
そして、今日。その3日めです。
今日、鎌倉は快晴のものの、一日を通して風の強い日となりました。
鎌倉山の桜は、今日の風でずいぶん散ってしまったかもしれません。
毎年ある時期だけあらわれる風景というのは、定点観測に似ていて、「去年の今頃」とか「3年前のこの春には・・・」などと、自分の過去をそのときばかり思い出すものですね。
わたしの場合は、それは、鎌倉方面から(常盤)から住宅地を通って鎌倉山に入り、まっすぐ山をあがっていく場所を通る、その瞬間に、いつも「ああ、今年もこの季節がやってきたんだ」と思うのです。
ちょうど、もう少し走るとボンジュールパンが見えてくるあたりの桜並木。過去と現在と未来が同時に存在する一瞬の「風景」があらわれる、感覚でしょうか。
桜をどこで誰と見たのか。
毎年訪れる「今年の桜」は、桜を、生きていた証として、それぞれの人の記憶となって刻まれていくのかもしれません。
わたしが何よりも愛おしいのは、「時間」なのかもしれないと思います。
毎日繰り返される時間が刻むもの。なんでもなく過ぎていくもの。
そんなかけがえない時間のなかで、生きるための「食事」があり、その道具である器に、こころを留めたいと、そう願っています。
こうして言葉にすれば大げさに聞こえてしまう、ささやくぐらいが調度よい、そんな存在でいいのです。よい器は、主張などしません。
器の本質は「食べるためのもの」。そのかたちは、人の「手」が原点です。
何がよい器なのか、と尋ねる方がいたら 「もっと手を信頼してみてください」と伝えたいですね。
このあたたかな手が本当に求めているものは何かを、「手」という原点に戻り見渡せば、「見せかけ」や「かっこつけ」ではない何かを、見つけられるのではないでしょうか。
●うつわ祥見の新しい空間 utsuwa-shoken onari NEAR 5月1日オープンします。
「よい器は、ここに来れば いつでも会える」
そんなお店になりますように。
●うつわ祥見の次回展覧会は木工家・須田二郎さんの木のうつわ展です。
2年ぶりの個展です。4月24日〜4月30日。初日に須田さんが在廊予定です。
●ただいま、セツローのものつくり展が
東京・国立新美術館 地階 SFTギャラリーで行われています。
2009年3月18日〜4月20日
くわしくはこちら→ http://www.cibone.com/sft/sftgallery.html
東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館B1
TEL: 03-6812-9933 FAX: 03-5775-4670
10:00-18:00 (金曜日のみ20:00まで)
毎週火曜日定休(祝日又は休日に当たる場合は開館し、翌日休館)
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