うつわとともに。祥見知生のブログです。

毎日更新5日め

鎌倉は霞のなかに光が差し込む日曜日の朝となりました。

「毎日更新」のこの文章も5日めです。

以前に紹介しましたようにも「ほぼ日」こと『ほぼ日刊イトイ新聞』の「あのひとの本棚」コーナーで、毎日日替わりで好きな本を紹介させていただきました。

本当は取り上げたかった本は沢山あるのですが、比較的手に入りやすいものがいいということでしたので、あの5冊になりました。

興味のある方は『ほぼ日』のアーカイブをご覧ください。

好きな本は、数多くあるけれど、

その人の書かれた本だったら、すべて信用できる、と感じられる人は限られてくるものですね。

そんななか、この方の本に出会ったら、お財布との相談はあるものの、たいがいは「うちへ来てください」と求めてしまう方のなかに、串田孫一さんがいます。

わたしの好きな文章家・串田孫一さんは、山を愛したひとです。

そして本を愛したひとでもありました。本の装丁はほとんど串田さん自身が行っていて、その厭味のないデザインがまた素晴らしいのです。

お会いしたこともない方ですが、串田さんはわたしにとっては憧れの方です。

書物というのは、時代を超えて筆者と読者を結ぶものと思いますが、数多く遺された随想のなかに、わたしは串田さんという方の「生きる尺度」を感じます。

「生きる尺度」とは、己の人生のなかで、何を選ぶか、そのまなざしです。まなざしは時に厳しくも、あたたかくもなりますが、根底にあって変わらないのは、生き続けていくことへの敬意であるように思います。

そこに、潔さ、気高さを感じます。

わたしたちは、毎日のなかで常に何かを選択して生きていますね。

朝一番に口にするものは何か、身に着けるもの、その日会う人、使う道具、まわりにあるすべての「事柄」は自分が選んだものにほかなりません。

串田さんは、人との付き合いにおいても、その「尺度」を大切になさった方であることが、数多く書かれた随想からも読み取れます。
「もの」との付き合いにおいても、その「尺度」はぶれることはありません。

もちろん、その尺度は、生き続けてきた時間のなかで、学び、培われたものであるに違いないのです。(でも最近は、この尺度をもたない日本人が多いのかもしれませんね。快楽や勝ち負けにとらわれていて自由ではないな、と思ってしまいます・・・・・・・・「・」がどこまでも続きそうなのでやめときます)

無人の山小屋での振舞いを、彼は「誰も見ていない山小屋での、たった一人の模範生」と書きます。きっと、串田さんは、山小屋を愛し、そこで過ごす孤独の時間を愛し、鍵一つ開けるしぐさも丁寧に、敬意を払って行っていたのですね。

先月、スタッフの神田(えっちゃん)が、一冊の本をプレゼントしてくれました。

3月といえば、新しいことが次々と決まり、動き出した月です。

その打ち合わせの最後に、「これ、新しいスタートの記念のお祝いです」と手渡してくれたのは、『串田孫一随想集 山をめぐって』(大和書房) です。昭和39年初版の古本でした。

嬉しかったですね。

彼女の思いが、この小さな一冊の本のなかに つまっていて。

きっとずっと、心に残る贈り物でした。

何かに迷ったら、きっと、この本をわたしは手にとると思います。そして、新しいスタートのこの年のことを思い出すことと思います。



●うつわ祥見の新しい空間 utsuwa-shoken onari NEAR が5月1日オープンします。

「よい器は、ここに来れば いつでも会える」 

そんなお店になりますように。 

鎌倉の裏駅から徒歩4分ほどの、「御成通り」の端っこです。

時間がゆっくりと流れているこの通りで、「器を伝える場所」を。

器を通じて新しいものがたりが生まれたらいいなぁ・・と思います。

また多くの方と出会えることを願っています。


●うつわ祥見の次回展覧会は木工家・須田二郎さんの木のうつわ展です。

2年ぶりの個展です。4月24日〜4月30日。初日に須田さんが在廊予定です。




●ただいま、セツローのものつくり展が

東京・国立新美術館 地階 SFTギャラリーで行われています。

  

2009年3月18日〜4月20日 

くわしくはこちら→ http://www.cibone.com/sft/sftgallery.html

セツローさんが4月15日に在廊することが決定しました。

くわしい時間についてはまた改めてお知らせします。


東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館B1

TEL: 03-6812-9933 FAX: 03-5775-4670 

10:00-18:00 (金曜日のみ20:00まで) 

毎週火曜日定休(祝日又は休日に当たる場合は開館し、翌日休館)

アクセス

東京メトロ千代田線乃木坂駅6出口

東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分

都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分

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