美しいめし碗展 東京で始まりました
「日本のかたち 美しいめし碗展」が東京・上野の群言堂上野桜木店で初日を迎えました。
上野公園を過ぎ、東京藝術大学の角を曲がり・・・
今回の展覧会の打ち合わせを含め、この夏より何度か歩いたこの道がわたしは好きです。
上野と聞くと、アメ横をはじめとしたにぎやかな下町のイメージがあり、どんなところなのだろう・・・と思って、最初伺ったのですが・・・
ひっそりとした落ち着いた通りに、その空間はありました。
ちょうど目の前が「大黒天護国院」
この大黒天のお社の控えめな佇まいに一目ぼれしたのです。
そして初めて訪れたこの場所に「見覚えがある」というのか、懐かしい気持ちになったのです。
ちなみに、大黒天(だいこくてん)とは、ウィキペディアによれば、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるマハーカーラ(サンスクリット語:Mahaa-kaala)のことで、神道の大黒天 - 密教の大黒天が元になり、大国主命と神仏習合して出来た神道の神で、七福神の一柱としても知られている、とのことです。
このとき、打ち合わせに出向いたわたしを迎えてくれたのが、群言堂の代表の松場大吉さんその人でした。
松場さんはこのとき「この大黒様がここにいらしたから、この場所に 群言堂の東京店を作ったのです」とおっしゃったのでした。
正直言いますと、わたしにとって、今回の展覧会は、この言葉を松場さんから聞いたことから始まったといってもいいのです。
このときの印象を、うまく伝えられないのですけれど、わたしがその時に感じたのは その「まこごろ」のようなものですね。。。まこごろとは、真の心という意です。
わたしにとって、めし碗は大切に大切に伝えたいテーマです。誰とでも、どんな会社とでも 一緒に伝えられることではありません。
もしあのとき、この言葉を松場さんがおっしゃらなかったら・・・今回の展覧会はスタートしなかったかもしれないと思うと、
目には見えないご縁というものはあるのだな・・・と思います。
先日もお店のスタッフの皆さんと夕方に打ち合わせをして、外に出ますと、これまで見たことのないような美しい紅色の夕焼けが広がっていて、大黒天のお社もより清清しく拝見することができました。
そういう一つひとつの重なりあいが非常に大切なのです。
いろいろな出会いがあり、展覧会を通じて、人と人のつながり、ご縁が生まれてきます。
そして、島根・横浜・広島と続いて、東京上野で「日本のかたち 美しいめし碗展」は今日10月10日(めでたい日ですね)に無事初日を迎えました。
群言堂のスタッフの皆さんの気持ちのよい心に支えられて、群言堂さんらしい素敵な空間に器たちが並びました。
器たちも安心してそこにいられるような、懐かしい場所にゆっくりと里帰りしたような・・・そんな空気感が漂う展覧会会場になりました。
写真を撮っていただいたので、ご紹介しますね。
こう見ますと、古い建物の一角のようですが、実際は、近代的なコンクリのビルの半地下・・階段を下ったエントランスです。
古い建材を生かした再生事業を熱心に行っているこの会社ならではの東京ベースとなっています。
初日は朝一番に、雑誌『住む。』に書いた文章を読んで来てくださった方、
鎌倉へはなかなか行けないのでここに・・・とホームページを見て訪ねてくだった方、
横浜会場を見てこちらにも足を運んでくださった方など・・・たくさんの皆様とお会いすることができました。
一日器たちと一緒にいて、多くの皆さんと器の話がさせていただけて 幸せな一日でした。
お出かけくださった皆様 ありがとうございました。
めし碗だけではなく、皿や鉢、小皿、片口、ポット、湯のみ・・・日々をともにする器たちが集っています。
「日本のかたち 美しいめし碗展」も 東日本では いよいよラストスパートとなります。
ぜひ、この機会に器たちに会いにいらしてください。
一つひとつの器たちを手に包んでご覧ください。
石田誠さんの南蛮焼締、村田森さんの染付、小野哲平さんの唐津碗、小山乃文彦さんの粉引きポット、吉岡萬理さんの鉄彩、田谷直子さんの瑠璃釉ポット、尾形アツシさんの刷毛目皿・・・などなど、とても紹介しきれない、内容の濃い展覧会となっています。
上野駅の公園口から歩いてほぼよい距離です。
くわしいアクセスは郡言堂のホームページをご覧ください。
郡言堂のホームページ http://www.gungendo.co.jp/branch/ueno/index.html
「日本のかたち 美しいめし碗展」はこのあと、兵庫県豊岡市の旧大森小学校ギャラリーで10月24日〜26日行います。
こちらはまた、すごいことになっています。アルケッチャーノの奥田シェフも来豊されるそうです( 25日同じ飛行機でわたしも大阪経由で豊岡入りします)
くわしくは、明石のギャラリー風来さんのホームページをご覧ください。
http://fuuki.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-6edf.html
関西在住の皆様、ぜひ、この3日間にお出かけになり、器たちをご覧ください。
特別出展の吉岡萬理さんの作品展も同時開催いたします。
○鎌倉駅そばの「onari NEAR」では、ただいま 中央のテーブルで 村木雄児さんの器を特集しています。
粉引き、三島など、華やぎがあり、品格のある村木さんの器たちをどうぞ手に包んでご覧ください。
会期中は「器を贈る」というテーマで、村木さんの器たちを大切な方に贈りたい方へお勧めの器を中心にご覧いただきます。
NEARのスタッフ日記もぜひ訪れてみてください。
○「食べるがまんなか 器と道具展」馬喰町ART+EATで開催中です。10月24日まで。
このあと 10月16日 在廊します。