TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 手の表情


東京・乃木坂 国立新美術館地階 SFTギャラリーで開催中の「うつわハートフル展」。


会場には、「うつわとは手に包むもの」という言葉と一緒に、器を包む手の写真を掲示しています。


これまでも、手と器の写真は撮ってきましたが、

今回は「うつわハートフル」のテーマとして「手に包む器、器に包まれる手」を 意識的に撮ってみようと試みました。

男性の手も女性の手もあります。

「こういうふうに器を持ってください」と注文をするのではなく、

その方その方の「器の持ち方」を自然にしていただいた手を撮影しました。


なかでも、この手は偶然撮影できた最たるものです。



お母さんが持っている器を、そのお子さんが触った「手」。

なんとも愛らしく、そして、小さな手の表情が豊かです。


よく器には「表情がある」という話をしますが、

手も同じように、それぞれ違う「表情」を持っているのですね。

ふだん何気なく見過ごしてしまうことのように思います。


もうすぐ81歳になるセツローさん(小野セツローさん)は ご病気で足が不自由になられてから

大人も女性も男性も、多くの人と「手をつなぎ」歩かれていました。

「手はなんでも教えてくれるの、いろいろな手があるよ、やさしい手、あたたかい手、大きな手、小さな手・・・ぼくは手で人とつながっているの」

と嬉しそうに話してくれたことを思い出します。



うつわハートフル展に出展したそれぞれの作り手の作品は明日 また くわしく ご紹介します。