TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 朝に。

今日もまた 新しい一日が始まります。


この数日 寺田寅彦の随筆を読んでいたら その圧倒的な文章力に引き込まれました。

この数学者の、飄々とした物腰 その観察眼に。

岩波書店の「寺田寅彦 全随筆」のなかには 化学、物理学、映画、文学などへの考察的な文章とともに、
身近な猫や小動物、草木に関する随筆が多く収められています。


本はやっぱりいいですねぇ・・・

部屋にいながらにして 緑深い森のなかを 歩いているような気持ちになります。


わたしは串田孫一さんの文章が好きで、傍らに串田さんの本を置いて ちょっとした時間にも頁を開くことが多いのですが、

書き手の呼吸がいきいきが伝わってくる、随想という文章のスタイルが好きなのかもしれません。


串田さんの著書『串田孫一断想集 山をめぐって 』(大和書房)の第一章のはじめにこんな文章があります。



人は何故山に登るのだろう。
何故好んで、氷の岩屋根を登って行こうとするのだろう。
この自ら悦んで求める忍苦の行為を人が棄てないうちは、
私は人間の尊いねがいを疑わないだろう。



いま、器を伝える仕事と平行して、この秋に、高知県の牧野植物園で行う、「樹」と「言葉」をテーマにした展覧会の準備をしています。

言葉も願いも、音楽も、そして、器も。

人を信じることを土台にしなくてはなりません。



今日はこれから打ち合わせで 少し早めにNEARへ行きます。

関東は予報では曇りから雨になるようですね。

どうぞ皆さんも、器と よい一日をお過ごしください。