TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

  うつわと、ハートフルと


気が付いてみると、もう6月も半ばを過ぎました。

鎌倉は梅雨の湿度が高い日が続いています。

アジサイが見ごろを迎え、週末の長谷寺では階段の下で待つこと90分だったとか。大変な混みようなんですね。

うつわ祥見の6月の展覧会「吉田直嗣展」が終わり、翌日から 新しい仕事のうち合わせや準備を進めています。

今年のうつわ祥見のテーマである「うつわハートフル展」は7月に京都・8月に札幌、そして11月に長崎・諫早へ。

そして、高知の皆さんへお知らせです。

「うつわハートフル展」は来年2月に高知での開催が決まりました。 前回のごはんのうつわ展でもお世話になった「花と器 SUMI」さんで。

高知の皆さんからは「ラブコール」をよくいただいていましたので、わたしも嬉しいです。

「うつわハートフル」は、言葉こそ優しいですが、作り手の芯のある器たちと出会える内容の濃い展覧会です。

京都の恵文社での展覧会では出展作家が決まり、ご紹介しました。

8月の札幌では 記念のスペシャルライブとして「コトリンゴライブ」が行われます。ライブの申し込みは6月23日よりチョロンのホームページで行います。ぜひ皆さま いらしてくださいね。



昨年、年末に上梓した『器、この、名もなきもの』を書いている間に同時進行で「うつわハートフル展」の準備をしていました。
前出の本がどちらかというとマニアックな内容であったためか「なぜ、うつわハートフルなの?」という質問をよくされたんですね。

「うつわハートフル」という言葉は、造語ですけれど、頭をひねって生まれた言葉ではなく、
「器が手に包まれるもの」であり、もっと「愛おしい」ものであること、
そして誰にでも垣根なく器の世界にすんなりと入ってきていただくための身近な響きを持つ言葉として、親しんでいただければ・・と。
器をもっと身近に感じて、食べることを今以上に楽しんで、そして向き合ってほしい・・・。そんなふうに思っています。

わたし自身も「うつわハートフル」をいつも心に抱いていたいんですね。

器、この世界は これまで男性優位の社会であったと思うんですね。

いつもこれは繰り返しお話することなのですけれど、

器はこれまで、オンナ、コドモは知らなくてよい・・と
一部の数寄者の閉ざされた世界のなかで語られ続けてきたように思います。

器のことを「知識がないと語れない」と、敷居の高いものとして敬遠しようとする方がいらっしゃるのは、そんな器を取り巻くイメージのもたらす弊害のもっとも大きな現れではないかと、考えています。

わたしは、「食べる」ための器を伝えたいんですね。決して偉ぶるようなものではなく、高みに座るものではなく。

わたしたちが普通に毎日手に包んで食べる、なんでもない器を伝えたいのです。

食べることに性別も年齢も、何も区別するものはありません。

わたしたちの手に、器という「愛するもの」を取り戻したいと、そう願っています。

この日記も、最近は、器を愛している方が読んでくださっていると思い 書き続けているようなものです。器熱ですね。


「器の明るい悩み相談室」は、器を愛する皆さんと、器を想う気持ちを共有したり、器を愛するゆえのお悩みや、質問を一緒に考えていく、明るく朗らかなやりとりの場になればと思います。

新しい質問はとても難しい問いでしたが、わたし自身、器の「使い手」として答えさせていただきました。 


うつわ祥見は7月に入りましたら、お待ちかねの「巳亦敬一 硝子のうつわ展」が始まります。

今年も札幌から美しい巳亦さんのガラスの器が届きます。

うつわ祥見の会期が終わったあと、翌日からはonariNEARで 7月末まで展示します。

今年春に行った「うつわハートフル展」(国立新美術館地階 SFTギャラリー)でも大変人気が高かった巳亦さんのガラスです。今年の個展にはどんな器たちが届くのか とても楽しみです。

今月も残り少なくなりましたが、NEARには 22日(火)、25日(金)、30日(水)在店します。

今週はイチカワヨウスケ君の新刊本の撮影立会いと、早川ユミさんの新刊の本の編集、そして週末は高知県立牧野植物園の『樹と言葉展』の打ち合わせで高知へ行ってきます。

梅雨時は湿度が高く、不快なことも多いですが、

好きな器で地の力の野菜を美味しく食べて、お元気で。

明日も器ともによい一日をお過ごしください。うつわハートフルな一日にしたいですね。

おやすみなさい。