TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

未来を作るのは食べることだと思う。

こんばんわ。

先日の日記で「忙しさを自覚した」と書きましたら、
何人かの方に「自覚がなかったんですか! でも、 自覚ができたことは良かったですね」と言われました。
気にかけてくださって ありがとうございます。

さて、皆さんの手元には「こどものうつわ展」のDMが届いた頃と思います。

「未来をつくるのは食べることだと思う」

DMに書いたこの短い言葉は、こどものうつわ展のために書いたものですが、
この展覧会のためだけの言葉ではないと考えています。

器を伝える仕事を続けていくうえで 忘れてはいけない言葉と、思います。

未来をつくるのは食べること・・・当たり前のことですね。

でも、この当たり前のことが経済優先、効率ばかりに懸命になった結果、
後回しにされてきたように思うのです。

食の安全が問われている昨今ですが、

農薬や添加物のこと、無理な輸送に頼る欲望優先の消費者嗜好が
わたしたちの身体とこころの両方を蝕んできたのではないか・・・と思います。

わたしたちの身体に有害なもの、無理をして運ばれてきたものが、身体に負担をかけ、

そして、知らず知らずのうちに、わたしたち自身が、
自然のサイクルに背中を向けていたことにつながっていたように思います。

消費者も、季節をついつい忘れがちです。

食べ物がどこから来て いま なぜこの場所にあるのか、
その素性にもっと関心を持ちたいと、わたしはいつも思っています。

自分の未来を作るのは、今日の食べ物であることを
こどもたちらも伝えたい。

そして、食のサイクルは循環のサイクルであり、
食を考えてることは未来を考えることであることをもっと自覚したいと思うのです。

しっかりと、地の力のある食べ物を食べたいのです。
未来の自分に叱られないように・・・。

そして器も、しっかりと作られた、力のあるものとともに暮らしたいのです。

今回のこどものうつわ展では、作り手の方に「小さくて美しいものを」とリクエストしています。

こどものために作るのではなく、「小さくて美しいもの」を・・・と。

そこには大きな違いがあるのです。

小野哲平さんはかつて「こどもに(気に入られるように)媚びて作るのではなく、
こどもが優しい気持ちになってくれるように よいものを作りたい」と話してくれたことがありました。


人が優しい気持ちになれるような器を作ることには、きっとこれで終わりという終着点がない大きなテーマです。

そして、相手が子供たちとなれば、一切のごまかしはききません。

「未来を作る食べることがこの器とともにあってほしい」と願って、器たちを伝えたいと思います。

こどものうつわ展は9月10日より うつわ祥見にて行われます。どんな器たちが集うのか、大変楽しみにしています。



お知らせ

恵文社のサイトで うつわハートフルの特設ページが開かれています。→http://bit.ly/a5EM4d



○ うつわ祥見 こどものうつわ展

  2010年9月10日(金)〜9月16日(木) 11:00〜17:00 

  こどもの手に包まれるものは、素朴で、あたたかな、美しいものがいい。

  食べる道具として、いつまでも、家族のもとで愛される器を。

  うつわ祥見が大切に伝えたいテーマです。どうぞお出かけください。

  出展作家の皆さん

  石田誠  尾形アツシ 小野哲平 小山乃文彦 田谷直子

  谷口晃啓 村木雄児 吉岡萬理 吉田直嗣 

  矢澤寛彰 (漆)

  引き続き utsuwa-shoken onariNEARでご覧いただけます。

  9月17日(金)〜9月29日(水)会期中木曜定休 12:00〜19:00