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うつわとともに。祥見知生のブログです。

器を愛する皆様へ


こんばんわ。前回の更新から10日あまりが過ぎようとしています。

11月28日 日曜日、夕方17時をまわりました。

鎌倉は・・というより日本中が、もうどっぷりと暗く夜に向かっていく時間です。

家族で日曜日の夜ごはんを召し上がっている方もご近所でもいらっしゃることでしょう。

この文章を書いている部屋の窓は閉じているので、外の音もほとんど聴こえませんが、遠く日本の各地でも、「ちびまるこちゃん」「サザエさん」にあわせて、お母さんが「そろそろごはんよ」とテレビの前のテーブルに集合されているかもしれませんね。

わたしは、そんな食卓の風景を、とても身近なものとして思い描くことができます。

この11月、わたしのまわりでは、様々な器と人の出会いがあり、
それぞれの器たちがその後、どんなふうに皆さんのもとで、
食卓で、使われているのだろうなぁ・・と、想像してしまうのです。

11月は うつわ祥見で10月の終わりに始まった須田二郎さんの木のうつわ展が終わり、
そのあと、NEARで田谷直子さんの暮らしのうつわ展が始まり、
その翌日に長崎・諫早のオレンジスパイスで「うつわハートフル展」が初日を迎え、
その翌週の19日には石田誠陶展がうつわ祥見で始まりました。

この日記を読んでくださっている皆さんにとっては、
「改めて、書かなくてもわかっていますよ」と、いま、微笑んで読んでくださっていると思うのですが、

やっぱりもう一度、おさらいするように、こうして書いてみたかったのです。

「器と人の出会い」と、いま、改めて言葉にしてみても、
過ぎ去った時間、終わった時間というふうには思えない・・・。

その一つひとつの器との対話のような瞬間を思いますと、
こみ上げてくるものが確かにあります。

器と人。その出会い。

手に包まれて、「この器にします」とおっしゃった皆さんの表情、

展覧会を通じて生まれた、さまざまな器の言葉、

器を手にして、裏を見て表を見て「いいですねぇ」と交わした会話、

器を包んだ皆さんの手、スタッフの手、オレンジスパイスの皆さんの手、

会場に流れていた音楽、包みを手渡して見送ったあとに残る部屋の余韻・・。


展覧会で、出会いのすべてに立ち会えたわけではないのですが、

わたしのなかで、この11月の展覧会はどれも、いつも以上に、心に残る時間でした。

なぜでしょうか。

これまでもわたしの器熱は、いつも、いかなるときも、いつだって熱かったはずなのに・・。

そう考えてみますと、本当に、しみじみと感じるのです。

訪れてくださった皆さんの器への愛情こそが、これらの展覧会を素晴らしいものにしてくだったのですね・・。

それぞれの展覧会へ足を運んでくださった皆さまに、心より 感謝申し上げます。

ありがとうございました。

オレンジスパイスの「うつわハートフル展」では、スタッフの皆様に大変お世話になりました。

長崎県内はもとより、県外から、一度ならず二度も、
時間をかけて訪ねてくださった方が何人もいらっしゃったこと、
驚くばかりですし、嬉しくて、感謝の言葉も見つかりません。ありがとうございます。

また、皆さんがお店を出る帰り際に、同じように「また来年楽しみにしています」と
当たり前のようにおっしゃるんですよ・・・と毎日メールで知らせていただいたときは
嬉しくて、そして何か朗らかな気持ちになりました。

そして、加えて、実は会場には足を運んでいなくても、
この11月の展覧会のすべてを見守り、一緒に器と人との出会いを温かく見守り、
感じてくださった方が大勢いらしたことを、ここに、感謝したいと思います。

最初は懐疑的だったので今では申し訳なかったなぁ・・と思うのですが、
夏くらいに「ツイッター」なるものを始めて、
多くの皆さんが、同じように器を愛していらっしゃることを知ったんですね。

そして、たとえお会いできない方とでも、器を愛することでつながりあえることを、知ったのです。

この場では気兼ねなく、声を大きく言いますが、

皆さん、器って、本当に素晴らしいですね。



さて、食卓を幸せにする仕事だ、と言った石田誠さん・・・。

ずっとあたためてきたスリップウエアをみごとに作品として展覧会に仕上げた誠さんが
展覧会二日目の朝に英国風の帽子とアディダスのジャージー姿にあらわれ、
「南蛮の土を3年半ぶりに触り、僕は楽しかったです」と屈託なく笑ってくれた瞬間、
「あっぱれでした」と言ったとたん、目頭が熱くなり、涙がこぼれました。
いつも「石田誠の器には泣かされる」と言い続けてきたのですが、本当に涙がこぼれたのは初めてのことで、
わたし自身も驚きましたが、
「本当に、本当に、彼の器を、わたしは待っていたんだなぁ」と思えたんですね。

夜に石田誠さんと夕食を食べ、これからのことを話しました。

彼は言ったのです。

「今回の器は、最初からスリップウエアーを作ろうと思って取り組んだんじゃないんです。最後まで南蛮を焼こうと思って準備して、轆轤をひいた手でできた器なんです。だから、よけいよいものができたと思います」

わたしはその言葉が何より嬉しかったです。

それは真実の言葉でしたから。

今回のスリップウエアーの素晴らしさ、目には見えない、その奥にあるものはなぜ生まれたのか。
理屈ではうまく説明はできなくても、この器がなぜ人の心を打つのか、わたしにはわかる・・・そのことでもう充分でした。


「ショウケンさん、ボクは本当に今回、南蛮の土を久しぶりに触って、楽しかったんです。次の南蛮焼締は、きっとよい器になると思います」

まだ大船に松竹の映画撮影所があった頃から同じ場所で食堂をされているのでしょうか、大船と北鎌倉を結ぶ道にある地元の魚料理屋の長テーブルを挟んで、お聞きした、きっとずっと忘れられない、作り手の言葉です。


最後まで読んでくださってありがとうございました。

時間は18時40分、サザエさんが始まっていますね。

わたしも家族とのごはんの準備します。

気が付くと、もう来週には12月なんですね。

外と中の気温の差、朝晩の冷え込み、風邪が流行っているようです。

どうぞ体調管理には気をつけてください。


・・・・・・・・・・・・・・

と、今日は、もう一度、書き続けてみます。

現在は11月28日 23時37分です。

さきほども書きましたが、

最近、うつわ祥見の展覧会が、ますます熱気を帯びていることを感じています。

器の世界がますます熱くなっているのか、うつわ祥見のまわりだけがそうなのか、
実際のところはよくわかりません。

けれど、以前よりも、「これまで器には全然興味がなかったけれど、自分で選んだ器が愛おしいという感覚がわかるようになった」とか「土の器でごはんを食べると本当に美味しい」、「西洋の食器をシリーズで選んで使っていたけれど、土ものの器のよさがだんだん分かってきて楽しい」など・・・数多くの、器への言葉をお聞きするのです。

そして、皆さん、少しだけ遠慮したように

「それで、うつわ祥見さんの器の同窓会って何をするのですか?」「どの程度の感じで参加できるのですか」とお訊ねになる方が多くなっているのです。

なかには、遠く札幌から「次は絶対に参加したいので、早めに日程をお知らせしてほしい」と言われる方もいらっしゃいます。

また、わたしのツイッターの「器の言葉」をいつでも読めるようにコピーしたい・・とメールをくださった京都のWさんは、最初はうまく行かなかったらしいのですが、「成功しました」とまたお便りをくださり、

今日はその様子を写真で送ってくださいました。

Wさんのご了解をいただいたので紹介させてください。


「昨日の京都は素晴らしい紅葉日和でして、主人と紅葉狩に行ってきました。本当に美しくて感動しました。あまりの美しさに落ち葉も沢山拾い、村木さんの三島鉢に。落ち葉も三島も美しいです。それから、ツィッターのコピーを特に印象的な祥見さんの言葉を切り抜いて、ノートに張り付けたのです。写真を添付しますので見ていただけますか?もうこれは正に、『器と言葉珠玉集』ですよ〜。」と。


この方はもう、器を愛する人の殿堂入りの方です。

本当にいつもありがとうございます。

励まされる思いがします。 

鎌倉へもぜひいらしていただきたいです。

器を前にして、一晩でも語り明かしたいくらいです。


器を愛することは日々を愛すること・・・。これは、いつも、わたしが繰り返し伝えている言葉です。

第一回めの器の同窓会で皆さんが口々に言われた言葉を思い出します。

「わたしだけではなかったんですね・・・こんなふうに器が好きなのは」・・・

器って本当に不思議なものですね。

他所の方が使って時を経て、経年変化をした器にも、しみじみと美しいと感じられるのですから。

食べる道具としての器は、わたしたちの暮らしのなかにちゃんとあって、繰り返される日常のなかに、さり気なく「いてくれる」ものですね。

わたしは最近、器とは、振り返るとすぐそばに、何も言わずにいてくれるもの、と思うようになりました。

そして、器を愛している方が、もっともっと増えて、満たされて幸せな気持ちが続き、
少しずつ、「たべること」そのものを見つめなおしたり、
毎日をこころを許すものと暮す人が増えるきっかけとなってくれたら、と思います。

器を愛する皆様と・・・一同で集まる機会があればいいなぁ・・と思います。


12月はふたつの展覧会があります。ぜひお出かけください。


○ onariNEAR 12月3日〜12月28日 矢澤寛彰 漆のうつわ展  

○ うつわ祥見 12月10日〜12月16日 深田容子 冬支度のうつわ展

くわしくは、うつわ祥見のホームページをご覧ください。

12月20日にうつわ祥見の忘年会を行います。今日は時間が迫ってきたので、またくわしくは近くお知らせします。

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