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うつわとともに。祥見知生のブログです。

 器と旅と、人との出会い。

こんばんわ。

今日は4月15日 金曜日。

先週の今ごろは、早川ユミさんと村上躍さんと札幌にいたのでした。

時間は、どうしてこうも 早く過ぎてしまうのでしょう。

なんだか、もうすでに懐かしい、札幌での3日間です。

村上躍さんの初の北海道の個展は、北の住まい設計社の札幌店で。


躍さんのポットが120点以上集う、「とんでもない」の展覧会となりました。

村上躍さん、私はふだん「人気作家」という言葉を使うことはありませんが、なぜでしょうね、
躍さんのことは自然と「人気作家」という言葉を使って紹介してしまうのです。

ただし、今回、展覧会を企画したのは、逆説的に聞こえるかもしれませんが、村上躍さんが人気があるとかないとか、そういう事が理由ではありません。

うつわ祥見の常設の空間 NEARができたとき、最初の年に「村上躍 茶の器展」を企画しました。

そのとき50点のポットを作っていただきました。

そして、この展覧会で、私は村上躍さんの仕事への取り組み方の厳しさを知るのです。

当時、私がこの日記に書いた言葉を紹介させてください。

2009年。NEARのオープンした二年前に書いた言葉です。



今回 このポット展のために作ってくださった数は50点。

正直、わたしは、この作品を見て、感動しています。

50点のうち、同じものは一点もないのですから。

色もかたちも風合いも、焼き方も、すべてにおいての完成度の高さに、
いまさらながらですが、村上躍さんという作り手のプロ意識を感じ入りました。

お茶を美味しくいただくための、ポットとしての「あり方」は、
その「かたち」「きれ」「茶葉との相性」、器としての「存在感」・・・。
どれにおいても、躍さんほど考え抜かれたポットを作る方はいないのではないかと思います。



そして、今回、久々に展覧会をお願いして感じたことなのですが、

これまで躍さんのポットに抱いていたイメージは、完成度の高さや、フォルムの美しさ・・・革命的な使い心地・・・と、そんなふうに考えていたのですが、

いまこの50点のポットたちと対面して浮かんだのは、もっと人間的な言葉でした。

それが「信頼する」という言葉です。



取っ手のカープはそれぞれ一つひとつのかたちや大きさによって、少しずつ工夫されています。

それは手に取って選んでほしいという作者の願いの現われです。

作品として、かなり軽量であり、お湯をたっぷり注いでも苦なくたっぷりとお茶をいただけるような「工夫」、

作者から使う人を思う気持ちを感じる新たな「発見」もありました。

それが用の美の本質なのですが、なかなかそういう「仕事」を見かけるのが難しい時代です。

そして、そういうプロの仕事は、人を幸せにするのです。



なぜ、手日練にこだわるのか。

なぜ、このポットは使い心地がよいのか。

工夫、こだわりは何か。

なぜ、そこまで、こだわるのか。

知りたいことは沢山ありました。

今回はその疑問を、札幌でのトークイベントで 直接 躍さんにお聞きしました。

躍さんは丁寧に、実直な言葉で 質問のあれあれに答えてくれました。

なかでも印象深かったのは、一日のうちポットの制作は10個までと決めていらっしゃるとの話、
しかも作るかたちはあえて、手が慣れないように、かたちを違えて成形されるのだそうです。

お出かけいただいた皆さんは、きっと、村上躍さんという正真正銘の「作家」の、作り手のとしての姿勢に心打たれたことでしょう。

作り手の言葉を直接聞くことができた皆さん、きっと、選ばれた器も特別なものになったのではないでしょうか。

こうした作り手の方に参加していただくイベントは、これから、もっと力を入れて企画をしていきたいと思います。

躍さんのポットに出会える会期は以下の通りです。

ぜひ週末は新しい出会いを楽しみに、ぜひ お出かけください。


会期 2011年4月9日(土)〜4月18日(月)
11:00〜19:00  会期中火曜日休み

GOODNEWS sapporo
北海道札幌市豊平区西岡4条4丁目2-1
tel.011-859-1220/fax.011-859-1223 営業時間 11:00〜19:00 火曜定休

巡回展  東川ショールーム  2011年4月23日(土)〜5月8日(日)


北の住まい設計社のホームページで会場の様子が紹介されています。ぜひご覧ください。

http://www.kitanosumaisekkeisha.com/shop/sapporo/sapporo1104.shtml#start



そして、早川ユミさんの初めての札幌展。大好きなチョロンの2階スペースで行なわれました。

トークイベントでは部屋いっぱいに参加者の皆さん。

原発事故をうけて、誰もが感じているこれからの暮らしのあり方を、ユミさんが熱心に語ります。

「いのちのものさし」を大切に、種をまこう、小さなものから「手でつくろう」。

ユミさんのメッセージが、とてもチャーミングに、穏やかに、皆さんのもとへ届いていくようでした。


なかには、躍さんのトークイベントとユミさん、両方に参加してくださった方もいらっしやいました。

皆さま、本当にありがとうございました。

そして東京に戻り、その翌日は。。。。

出版社 アノニマ・スタジオで早川ユミさんの新しい本の打ち合わせがありました。

今度は「食の本」になるのです。

撮影は5月からスタートし、12月完成予定です。

ユミさんらしい、今まで見たことのない「食の本」になりそうです。

お楽しみに。


さて 鎌倉 NEARでは、14日 尾形アツシさんの刷毛目の器展が始まりました。

勢いのある筆が潔く、どの器も、強い信念のような刷毛の姿が器となりました。

会心の作・・という言葉が驚くほど、ぴったりきます。

願ってもない内容の濃い展覧会となりました。

明日4月16日は奈良から尾形アツシさんがいらっしゃいます。

どうぞお出かけください。



そして、もうひとつ、新しいお知らせです。

国立新美術館地階SFTギャラリーで行なわれている「TABERU」。

4月17日(日) 14時-15時 器のレクチャー会を行ないます。

一つひとつの器を手に取り、器の魅力について、話をしようと思います。
(器人生全開で、きっと、器魂が乗り移ったかのように喋ると思います)

お時間のある方、ぜひ、器に会いにいらしてください。

実際に器を手に包み、じっくりと器の話をいたしまょう。


[TABERU」は震災の影響で会期が順延されたり、開館時間が変更になったり、
楽しみにしてくださった皆さんにも大変ご迷惑をおかけしました。

会期が延長になることが決定しましたので お知らせします。

新しい会期は、

〜 2011年5月23日(月)までとなりました。

時間がなくて行けないなぁ・・と思っていらした方、ぜひ、時間を作ってお出かけください。


さっと駆け足で、この数日のことを書いてみました。やっぱり、器人生全開の時間でした。

器と旅と、人との出会いに感謝して。

取り急ぎ 今夜はこの辺で。

明日も器と穏やかにお過ごしください。