TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 こんばんわ、6月になり・・・。

こんばんわ。皆さん。

6月2日 23時20分です。

今夜は、まるで、ラジオのDJになったつもりで、この日記を書き出してみたい気分なのです。

どうしてかはわかりません。

いま、ただ、今夜夕食で使った器たちを丁寧に洗い終えて、台所の灯りも消し、そして・・・なぜだか、今夜は初めて、
「こんな気持のまま」この日記を書いてみようと思い、PCの前に座りました。

実は、冷蔵庫から、ビールを持ち出し、巳亦敬一さんの赤いグラスに注ぎ、机に座りました。

私はふだん、家では、あまりお酒を呑みません。

まして、こんな遅い時間に、自分のためにビールの缶を開けるなど、人生始まって以来のこと(大げさですか、本当です)なのです。

考えてみると、アルコールを飲んでパソコンに向かっているというのも、初めてのことです。

人間って面白いですね。長い間、生きてきたのに、まだまだ「初体験」というものが「体験」できるのですから。

・・・・・本題は、そこではないのですが、なんだか、不思議なことだなぁ・・・と思いつつ、ここまで一気に書き進めてきました。

さて、少しクールダウンで、ビールのグラスを手に持ちますが・・・。


震災の3月11日以来、抱えていることの大きさは、ゆうに人間ひとりの体では持ちこたえられないような状況が続いています。

いっけん、関東では、平穏な日々が戻ったように感じられる毎日ですが、それはほんの上辺のこと。

うつわ祥見に関して、器展も、そんな、重苦しい、世間が抱える、いや、世界が抱える重大な問題のしたで、行なわれています。

少しでも、前へ、未来へ、希望を持ち続けてたいと願って、その願う方法として 具体的に自分ができうることは、
作り手の信じた器を、多くの人に届けることと、思って、仕事をしています。

今日、雨のなか、NEARに一日おりまして、小さな空間で、石田誠さんの器に囲まれて、思いました。

ああ、器がいて、救われている。

器といて・・・と言ったほうが正確ですね。

ああ、器がいてくれて 救われている。

私にとって、真実の言葉です。

ああ、本当にね・・。

器と、ともに、一日でした・・・あの震災の日以来、

4月になった頃には、5月が本当に来るのだろうか・・・と内心思っていました。

そして、色々と重なった仕事をこなしながら、ふたつの展覧会を行い、関わった本の出版を見届け、「TABERU」のサイトをオープンさせ、ライブチラシの入稿をし、雑誌へ10ページの寄稿もしました。

人の何倍も働いていたような・・・感じるのは気のせいでしょうか。

でも本当に忙しかったです。

そんなふうに、5月はあっという間に過ぎていきました。

でも、どこかで、毎日、必死に、一日一日が無事過ぎていくことを確かめながらの一ヶ月だったと思います。

そういう毎日を、器たちは、本当に、支えていてくれたんですね。

朝も、時々昼も、そして毎日の夜も。

器と、ごはんを食べて、生きてきました。

めし碗は、いつも、同じ顔をして「出番、待っていたよ、お疲れさま」と話しかけ、皿は時々「いつも急いでいて大丈夫なの?」という顔をして、小鉢は食材に素直に従い無口に淡々と仕事をこなし、大鉢はどーんと構えて「なんぼのもんじゃ」という顔をして堂々とテーブルの中央にいました。

愛する器たちとともに生きてきました。

信頼できるモノたち。決して裏切ることがない、愛しい器たちです。

一客の器が、人の人生を、こんなにも豊かにしてくれる。改めて感じます。器の力を。

土の器があたたかいことも、また改めて、感じずにはいられません。

きっと、この日記を読んでくださっている皆さんも 同じ思いをされているのではないでしょうか。

器とともに、健やかに、一日一日、丁寧に、時々、美味しいお酒に「酔っ払いながらも」素直に生きて生きたいものです。

石田誠 まことマコトMACOTO展、 初日はNEARの開店前から店の前に並んでくださる方も見られ、初日から大盛況です。

「まこと熱」を持ってきてくださる皆さんは「いかに石田誠さんの器がよいのか」を話されて、とても初対面とは思えないような親密な空気で
楽しげにお話されているのが印象的でした。

「まこと熱」がこんなに熱くなっているのだなぁ・・・としみじみ感じました。

ありがとうございます。

まさしく器の力ですね。嬉しいです。

今週土曜日、6月4日には、松山から石田誠さんがいらっしゃいます。

NEARで初めての在廊の一日、きっと、皆さんにとっても、私にとっても、特別な一日になることでしょう。

どうぞお出かけください。

楽しみにしています。

・・・もっと書くことがあったはずですが、慣れない「ビール」+日記でした。

今夜はこのへんで失礼します。

器を愛する皆様へ、おやすみなさい。

また明日、ゆっくり器の話をいたしまょう。

6月、梅雨入りして、これから憂鬱なこともありますが、元気出していきましょう、器ととも元気でいらしてくださいね。