8月に向かって
もう7月も終わりですね。
未曾有の災害に見舞われた今年、放射能汚染は深刻さを増す一方で、夏の豪雨で各地で被害が出ています。
謹んでお見舞いを申し上げます。
地殻変動 という言葉が、現実のものと感じられる昨今。
この、迫ってくるリアリティは、わたしたちの想像を超えたものなんでしょうか。
だからこそ、日々こそまこと、と肝に銘じ、生きていきたい、仕事をしたい、器を伝えたいと願う毎日です。
7月。都内でTABERU高野寛さんインタビュー、村田森さんの染付展、高知、松本、掛川、和歌山・奈良、NEARでTABERU大貫妙子さんインタビュー・・・
振り返っても、なんだか、とっても、忙しい月でした。
きのうNEARで、時々顔を見せてくださる地元の方が「神田さんも、言ってましたよ、疲れた顔で、ほとほと7月はすごかったです」と。
なるほど、やっぱり、そうであった・・・。
留守を守るスタッフも、いつもよりずっと大変だった、忙しくさせていたのだな。。。と思いました。
しかし、忙しいというのは、なんて 有難いことでしょうか。
器がひとつでも多く・・・そんな「忙しさ」であれば、これほど嬉しいことはありません。
さて、8月には、展覧会TABERU が札幌と松本、二つの会場であります。
もうすぐ始まる TABERU 札幌 チョロンでの器展では、各地の作り手の皆さんの工房から、器たちが そろそろ北海道へ向かって行く頃です。
インドに旅をされている小野哲平さんは、9月の鎌倉への仕事も終えての長く日本を離れられていますが、
その旅の前に、土の器をいま伝えることについて、かなり時間をかけて話をしました。
札幌、松本へ出展していただく器も、薪窯焼成の器も含まれています。
奈良の山里で作陶されている尾形アツシさん、さいきん、仕事の厳しさが、ぐんと器にあらわれています。勢いがありながら静かな刷毛目、玉子肌の粉引き・・・。
染付け展を終えたばかりの京都・村田森さんとも「TABERU」への強い思いを伝えました。
また今年も出展いただく札幌の硝子作家 巳亦敬一さん。美しくあたたかい作風の日常のガラスの鉢やグラスをお願いしています。
これまで、うつわ祥見の器展にお出かけいただいた皆さんのなかには、「村木雄児さんの三島を今年こそは」・・と思われているかた、多いのではないでしょうか。
ぜひ楽しみにされてくださいね。
8月といえば札幌の空の下、
わたし自身にとっても、特別な思いいれのある土地で、愛する器を伝えられることは、本当に大きな意味があります。
器を通じて出会った皆様との再会も、本当に楽しみです。
ぜひ、去年、その前・・・使われて育った器のお話を、お聞かせください。
8月5日初日には終日、会場にいます。 今年はあえて、器のレクチャー会はしませんが、かえって時間を区切らずに
器の話を皆さんとゆっくりとしたいと思います。
ぜひ、お気軽に、お声がけください。 よろしくお願いします。
展覧会「TABERU」
会場 cholon 札幌本店
会期 2011年8月5日(金)〜8月12日(金)
札幌市中央区南1条西12丁目ASビル1F TEL 011-210-0787
出展作家
石田誠/尾形アツシ/小野哲平/小山乃文彦/田谷直子/村木雄児
村田森/吉田直嗣/横山拓也/村上躍/巳亦敬一(ガラス)
チョロン ホームページ → http://www.cholonweb.com/
TABERU特設サイトでは、食べるにかかわる本を紹介するエッセイに、デザイナーのセキユリヲさんが文章を寄せてくれました。
ぜひ、ご覧ください。
TABERU サイト → http://taberutaberu.com
それから、鎌倉のNEARについても 8月に向かっての お知らせを。
今年の8月は「NEAR 夏の常設展」と題し、常設の器をしっかり展示します。
常設の器にたいして、紹介する文章を うつわ祥見のホームページに 次のように書きました。
力こぶ3つくらいの気負い(笑)もありますが、自然に出てきた言葉です。
誇り高くありたい、器とともに、作り手の皆さんとともに・・・という気持ちでしょうか。
常設の器について
常設の器には深い思いいれがあります。
何よりも、作り手の「いま」を感じて、最高に敬意を払って
「伝えたい」器たちを、NEARという空間で埋め尽くす。
ひとつひとつの器に、顔がある。
表現というのではないが、
NEARという「器が主役の場」で
さまざまな作り手の器を伝えることで
わたしは、信じる器とは何かを
言葉なく「表現」しているのではないか。
言葉など、必要ない。
そこに、美しい器があるかぎり。
素朴で、偉ぶらない、
人に使われてこそ輝く「器(うつわ)」というもの。
どうぞゆっくりとお出かけになりご覧ください。
2011 夏 祥見知生
8月は臨時のお休みも2日ほどありますが、ぜひ、暑い夏を元気に乗り切るためにも「森林浴」ならぬ「器浴」に、
NEARに器に会いにいらしてください。