TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 もうすぐやってくる。 A Happy NEW ・・・

こんばんわ。

10th anniversary  の二つ折りのチラシを見ています。

小さく「器とともに。」と言葉を添えました。


お年賀をいただいた皆さんには これから 発送をいたしますね。

しばらく時間はかかるかもしれませんが、少し気長にお待ちいただければと思います。

昨年、クリスマスの頃に、いただいたお便りに、こんな言葉をいただきました。



 
器との楽しい一年でした。
器たちに、器の神様に、
器の伝道師たる祥見さんに、
感謝です。
新しい年も器とわくわくしたいです。
展覧会、合宿、食事会、
Tシャツ、CD、器たち・・・
楽しみです。



ありがとうございます。
肩のあたりが なんだか、ふっと軽くなるように感じました。


年明けの4日。日本晴れの青空の日。

東海道線の電車にしばらく揺られ、神奈川県の端の半島、真鶴に行ってきました。


真鶴には「中川一政美術館」があります。真鶴町立の美術館です。

中川一政さんは言わずとしれた高名な洋画家です。私はこの方の「あ・うん」の絵が好きです。
なんとも 力が強く、ユーモアがある。晩年に、富士山を描きたいと、弟子の車でスケッチに出かけたとき、あいにくの曇り空に、車の窓を下げて「ふう、ふう」と息をふき、雲を追いやろうとしたエピソードを知り、さらに好きになりました。

中川一政美術館」は今回お休みでしたが、そのリーフレットを駅前の食堂でいただいてきました。


画の見方 

画の見方といえば画をきゅうくつに考えないで見る事です。
富士山を見てよい景色だと思います。しかしよい景色は富士山ばかりではありません。
富士山ばかりをよい景色だと考えすぎると、天の橋立へ来るとわからなくなります。
そういう風にきめずに見る事です。
こういう風にすれば観賞の範囲が広くなります。
それからわからないものはわからないとしておいて、わかるものを先ず味わって行けばよいのです。
人というものは其人の心の深さだけしか見る事が出来ません。深い心の作品を見るにも自分の程度だけしかわかりません。いつ迄見ていてもよい絵というのは、自分の心が成長して行ってもまだ奥底のわからぬ絵のことです。自分にとけぬ謎のある絵です。
自分のわかる程度で素直に見てゆく事です。理屈ぜめにして見てゆかぬ事です。自分が成長すればわかるだろうと思う事です。そして成長する事を考えた方が近道なのです。
こういう風にすれば、観賞の内容が深くなって行きます。
以上のように観賞の広く出来るように深くなるように二つあわせてゆく事で見方が鍛えられると思います。

中川一政全集「美術の眺め」より

 

鑑賞ではなく、あえて、観賞という言葉を使われているのでしょうか。

何度読んでも感銘を受けます。

ここでは「画」と画伯は書かれていますが、これを「器」と置き換えても、そのまま意が通るのではと思うのです。


とらわれない自由な目と、「わからないものはわからないもの」としていいという見方に、改めてはっといたします。


たぶん、このつながりで、私がここで、次の書く人のことを紹介したならば、
ご本人から「勘弁してくださいよ〜」との声が飛んできそうですが、
それこそ勘弁していただいて 先に進もうと思います。

ここでご紹介したいのは、奈良の陶芸家・吉岡萬理さんです。

萬理さんは、粉引き、刷毛目、鉄彩に加えて、華やかな色絵で、大変熱心な器つくりをされています。

私がまだ器の仕事を始めるずっと前からずっと人気作家さんです。

色絵の絵の自由さ、私は毎日、萬理さんの色絵プレートで朝食を食べているのですが、
この器の明るさ、朗らかさ、力強さが、どれだけ私の毎日の生きる活力となっていることでしょうか。


その萬理さんがブログを始められたというので、楽しみに時々拝読しています。

(ときどき、魔女や泣き女になったりして、私も登場しているようです・・・)

私が知るかぎり、こんなに楽しく、人生に前向き、内容の濃い、陶芸家のHPはないのでは・・と思います。本当です。

先日も「いざ鎌倉へ」と題し、今回のNEARの展覧会へ向けて文章を書かれていますので、ぜひ ご一読ください。

http://footen.exblog.jp/

以前、萬理さんには、「萬理さんの言葉には人を励ます力があります。萬理さんこそブログやツイッターをやったほうがいい」と言った覚えがあるのですが、それが実際にきっかけになったかどうかは不明ですが、この日記を読んで、ときには「ほろり」とときには「大爆笑」と・・私は改めて、この方の大ファンになりました。

画の朗らかさ、突き抜けた明るさ。そして器としての完成度。

いま、この時代だからこそ、皆さんに伝えたいと思っています。

「萬理さんの器を使うと、気持ちが晴れる」
「顔を上げて、明るく、やっていこう」と前向きになるのです。

まるで魔法にかかったみたいな、不思議な、けれど、確かなことなのです。

私は小声で思います。

「芸術」には真にこういう力があるのだよ、と。


吉岡萬理さんの展覧会がonariNEARでもうすぐ始まります。

「いい器、持って行きます」

先日も力強い声の電話が届きました。

ぜひ、皆さんとともに、萬理さんの器を待ちたいと思います。

A Happy NEW BANRI の掛け声とともに。


吉岡萬理展
2012年1月14日(土)〜1月23日(月)
会期中1月17日(火)休

14日は夕方から 「HAPPY NEW UTSUWA」 うつわ祥見の新年会を行います。

奈良からいらっしゃる吉岡萬理さんを囲んで、一緒に集いませんか。

去年雑誌『サライ』取材で私が案内した鎌倉の料理店で この季節絶品の牡蠣フライを
ご一緒に・・・と思っています。
18時から20時。 ぜひご参加ください。

新年の強い気持、明るく、皆さんと「器をまんなかに」集えたら とても嬉しいです。