TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 2010年を振り返って ・・・一日め 

こんばんわ。

今年も残すところあと2日となりました。

先日、NEARでの展覧会も無事終了しました。

今年一年、うつわ祥見の展覧会へお出かけくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

有難うございました。

さて、この日記で、今夜を含めて3夜連続で、この一年を振り返ってみよう・・と思います。

なんとなく、そういうふうに 一年をたどってみたくなったのです。

年末のお忙しい時間ですが、お付き合いいただければ・・・。

ます、1月。

ちょうど一年前のことですけれど、もう随分前のことにように感じるのは何故でしょうか・・・

2010年の年明けは・・・onariNEARでは セツローさん展 NEARの椅子展 同時開催から始まったのでした。

セツローさんのかんざしの絵が復活していて、どんなに嬉しかったでしょう。

大事に時間をかけて見てくださる方が多い展覧会でした。

イギリスのアンティークの椅子も、同時に展示しました。

実は御成町に常設の空間NEARをオープンさせたとき、「あ、ここで椅子展できる」と喜んだのです。椅子がとても好きで。念願がかない嬉しい日々でした。
鎌倉市内に御住まいの方が大きな大きな特大の風呂敷をお持ちになり、包んで、背中にしょわれて帰られたことも思い出深いです。あの椅子たちは、今頃、それぞれのお宅で活躍(?)していることでしょう。NEARという名にふさわしい展覧会で、「また、椅子展やりたいね」と神田と話しています。

一方、うつわ祥見では 村田森陶展が・・・。2010年は森さんからスタートしたのですね・・・。もう3年くらい前のように感じます。
初日の朝一番のお客さまは、デザイナーのわたなべかおるさんでしたね。11時前に着いていらして、外のベンチで待っていらした。
DMの中央に入れた「村田森の仕事。」という言葉は、展覧会名ではなく、仕事に敬意を持って書いた入れた言葉。実は秋11月の石田誠さんの展覧会と「対」になっているものでした。DMの器は、森さん自身が掘った京都の土。森さんの手による「長石釉」の器でした。このころ「ショウケンさんのDMには念が籠もっている」と言われる人が何人かいました。森さん自身も「いかついですよ」と笑っていらしたなぁ・・と思い出します。



2月。

尾形アツシさんの粉引きと刷毛目展。

尾形さんのオリジナルの「ヒビ粉引き」が訪れる人の心に響いたようです。
器の裏にも見事な表情がある尾形さんの器は、選ぶ時間もとても楽しそうな方が多いのです。
手に包む「めし碗」も格段に「手取り」がよくなっていることを私も実感し、伝える言葉も熱が入りました。
多くの方にファンが増えた展覧会でした。

横浜の日本大通りの古いビルにあるギャラリーで『器、この、名もなきもの』出版記念展。毎日のように横浜に通うのが楽しかったです。
村田森さんのキー坊のマグカップが初日の数十分で売り切れ。そのあとご注文いただいたのですが、結局夏の終わりごろにやっとお渡しできたので、ほっとしました。

3月。

村上隆さんからメールを頂いて、GEISAI大学という場(カイカイキキギャラリー)で器の話会をしました。
話会のあとに実際、畳の上で器を並べて、
手に包んで話をさらに深めました。
会場にいらした方、その後ラジオで聴いてくださった方が実際にうつわ祥見へ訪ねてくださったことが何よりも嬉しいことでした。
わたしが何度も「器とは・・器とは・・」と繰り返し言うので、詩人の人の言葉を思い出したと言われた方がいたような・・。
器の話を聴いてくださるのならば「どこでも話をします」というスタンスは常に持ち続けようと思いました。
誰に向かっても、どんな場でも、器が手渡っていくことを信じて不器用ながら話をするだけです。


この話し会のすぐあとに、「うつわハートフル展」が国立新美術館地階のSFTギャラリーで始まりました。

器は手に包まれるもの、自分の手で包んで器を選ぶと、もっと器が愛おしい・・というテーマです。


会場には、色々な方の協力のもと、手に包まれる器の写真を壁に。

「うつわハートフル」のオリジナル器柄の手ぬぐいを作りました。

一方、onariNEARで、なんという贅沢な企画でしょう・・村木雄児さんの「三島の器展」


一口で三島と言いますが、土や釉薬、文様、焼き方を変えて、あれほど種類の三島の器が届くとは想像していませんでした。
村木さん自身「途中で楽しくなっちゃってさ」と笑っていました。
ご覧になられた方が随分あとになって「あれは本当に、やきものの可能性を垣間見る素晴らしい仕事でしたね」と感嘆の声が届く、印象的な展覧会でした。
村木さんはこの後に駒場のパーティさんと西麻布の桃居さん、東京でニ会場同時開催の個展を開かれるのですが、「ショウケンさんのところで三島に取り組んで、おもしろかったから、桃居さんも三島メインみたいにやってみたのよ」とおっしゃっていました。

手帳を見ると、この頃、「樹と言葉展」の打ち合わせを頻繁に行っていました。人知れず・・という感じ。

これ以後、松浦弥太郎さんと会う機会も多くなりました。

4月。

北海道・北の住まい設計社の札幌店で『器、この、名もなきもの』の出版記念展が行われました。

わたしも急遽、札幌入り。

展示の方法が丁寧で感激しました。

うつわ祥見のホームページを見たり、地元の新聞をご覧になり、訪ねてくださった方とお会いすることができました。

このあと、この展覧会は大阪や名古屋でも開かれました。

NEARでは、小野哲平さんの鉄化粧の器展が始まりました。初日にたくさんの皆さんにお出かけいただきました。

ふだん常設ではなかなかお伝えできない、マグカップなどが人気でした。

5月。

NEARの一周年記念展が行われました。

器とともに朗らかに・・・。

このDMの「クマの人形」はとても好評でした。

お向かいの「くろぬま」さんで見つけたビニール製で「くろちゃん」と名をつけました。

上の写真は大好きな「くろぬま」さんです。「くろぬま」さんに惚れ込んで、NEARが御成通りに生まれた・・といっても過言ではありません。

くろちゃんのことは、その後、「エクリ」さんのサイトにコラムを書きました。

http://www.e-ecrit.com/column/text/32.html

くろちゃんは、その後も、NEARのマスコットとして愛らしい姿でいます。
お子さん連れの方がいらした時には、棚のなかから登場し、ぜんまいを巻くとキコキコと動き出します。

その後、くろぬまさんに「同じものが入ったら声をかけてください」とお願いしていましたら、
「こんなの入ったよ」と連絡が・・・。

それは同じ型で作った赤いクマのスパイダーマンのいでたちと、これも同じ型で作られた、緑のカエル(こちらはスーパーマンのいでたち)としていました。

とても愉快な人形たち。カエルくんはいま、細野晴臣さんのライブ会場ともなった、御成通りのカフェ・ユニバイブに行きました。店のどこかですました顔をしているはずです。ユニバイブに行くことがあったら、今度店内を探してみてください。




届けていただいた差し入れのお菓子です。いつも有難うございます。
いただくばかりで恐縮です。

でも、そのお気持が嬉しくて・・・。感謝の気持でいっぱいです。
ありがとうございます。


つづきはまた明日に・・・。5月後半から9月までをまとめてみます。