京都・恵文社の器展
週のはじめ、京都へ行ってきました。
お昼近くの新幹線で京都入り。
その日、鎌倉は朝から、ぽかぽか陽気で上着がいらないほどの気温だったので、京都の空気はひんやりと冷たく感じました。
そういう空気の違い、空の青さの違いを、肌で感じることが、わたしは好きです。
宿泊したホテルの窓から見た京都の風景、やはり、紅葉に色づく山々は美しいものでした。
地下鉄を乗り継いで、京阪電車に乗り、出町柳駅からさらに叡山電車に乗り換えて、「一乗寺駅」下車。今回の展覧会でお世話になる恵文社へ向かいます。
恵文社は何度訪れても、本好きが「ずっとここにいたい」と思える大切な場所。
好きな本の匂いが立ち込めます。
古い家具に積まれた本たち、こういう見方をしてもよければ、その本たちはとても落ちついて見え、さらに幸せそう・・・。
どこかの本屋で、せわしくなく「おびえて」いるように見える本たちから比べたら、なんとゆったりとした顔をしていことでしょう。
昨今の「流通」を主体として成立している書店事情のなかで稀有な存在である「本屋さん」の幸せなあり方を、感じるのです。
「本って、やっぱりいいなぁ・・・」としみじみ書いているうちに、恵文社の紹介だけで、終ってしまうところでした。
そんな大好きな場所で、今、器展を行っています。
搬入は、京都在住の作家村田森さんも来てくれて、その後は、みんなで食事。
いつものことながら、器の話で盛り上がります。
東京・輪島と続いた「ごはんのうつわ展」で、どんなふうに森さんの器が手渡っていったのかを、伝え、来年早々の展覧会について、ゆっくりと話をしました。
そして初日。
午後15時ころまでの在廊でしたが、本当に出会えてよかった、と思える方々と、器についての話をゆっくりすることができました。
初日、平日にも関わらず、お出かけくださった皆様、ありがとうございました。
丁寧に選んでくださった器たちは、お家でどんな様子ですか?また次回、器たちの様子をお聞かせください。
今回は、『日々の器』(河出書房新社)の出版を記念して、この本でも紹介してする「時を経た器」の展示を行っています。
使われて育った器たちの、さらに器としての奥行きが増し、存在感のある器たちをご覧いただく趣向となっています。
なかには、村木雄児さんのお宅で、そして小野哲平さんの家で使われて「育った」器たちも展示しています。『日々の器』の表紙になった小山乃文彦さんの粉引き皿も実際にご覧いただけます。
それらは、眺めているだけで、こころに染み入る器の姿をしています。
時と器については、また、ゆっくりと、書きたいと思います。
そのほか、恵文社生活館のミニギャラリーでは「うつわ祥見の京都展」として、常設の器たちを展示しています。
関西にお住まいの方、ぜひ、この機会に、作り手がきちんと作った器たちを、手にとってご覧ください。そして、一つでもこころに残る器との出合いがあれば、ぜひお家で使ってみてください。
きっと、器から何かが伝わると思います。
○『日々の器』(河出書房新社 11月発売)出版記念展は、
京都・恵文社で11月18日〜12月1日まで。会期中は無休です。
恵文社のホームページをご覧ください。
http://www.keibunsha-books.com/
この展覧会は、その後、東京馬喰町ART+EATで行われます。
くわしくは、うつわ祥見のホームページをご覧ください。
○大阪のItohenで吉岡萬理+祥見の「カルロス君展」が行なわれます。
くわしくは、itohenのホームページをご覧ください。萬理さんとショウケンの「カルロス君展へものがたり」随時更新中です。
○次回、うつわ祥見の展覧会は、「吉岡萬理 陶展」です。
吉岡萬理陶展は、12月9日(火)〜14日(日)まで。
奈良から、萬理さんがいらっしゃいます。
今年最後の展覧会です。
お出かけください。