TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

吉岡萬理陶展 始まりました


昨日、うつわ祥見の今年最後の展覧会「吉岡萬理陶展」が始まりました。

色絵、鉄彩、粉引き、刷毛目。

萬理さんだけの表現の器たちが勢ぞろいです。

うつわ祥見では、普段、器の「見せ方」は、一つひとつの器をじっくりと見ていただくために、なるべく間合いをとって器を置き、余白を感じられるように展示を工夫していていますが、萬理さんの色絵の器は、それぞれの筆のタッチ、色あい、はじけるような楽しさを、たくさん見ていただきたくて、棚にびっしりと数を並べる展示となりました。

楽しく、明るく、そして、いきいきと。

それぞれの器たちが、華やかに健やかに、楽しげに、並んでいます。

少し前まで、器の世界では、「ミニマム」という言葉がキーワードとなり、デザインが優先された器が都会的で現代的に優れているかのように、もてはやされていました。

しかし、食べる道具であるにもかかわらず、そうした器からは「生きる」エネルギーを感じられなかったのも事実です。

「この先に何が待っているのだろうか」。

危ういものを、感じずにはいられませんでした。

対して、カラフルな色が器のなかで弾んでいる萬理さんの「色絵の世界」は、いきいきとしした、確かなエネルギーが感じられます。

萬理さんの器の魅力は、人の営みの「根っこ」の部分にある、きれい事では拾いきれない「何ものか」に根ざす強さであり、「生きる」ことを肯定し、その「どうしようもなさ」をも包んだ「優しさ」や「希望」なのではないかと思います。
だから、使えば使うほど、器から元気をもらうのです。

優しさと、希望と。

それは、たぶん、理屈ではありません。

難しい言葉は必要ないのでしょう。

「そこに行けばわかる」偉人の言葉にならって言えば、萬理さんの器たちは見たらわかる。そこから感じられる。

ぜひ、うつわ祥見「吉岡萬理陶展」へお出かけください。今年最後の展覧会です。


○うつわ祥見の今年最後の展覧会「吉岡萬理 陶展」は
12月9日(火)〜14日(日)まで。

使うたびに元気になる吉岡萬理さんの器の世界を、どうぞご覧ください。


○東京馬喰町ART+EATでは、『日々の器』(河出書房新社 11月発売)出版を記念して「時を経た器たち」展が行われています。

 12月8日〜12月19日まで。会期中は14日(日)休廊です。

くわしくは、馬喰町ART+EATのホームページをご覧ください。

馬喰町ART+EATホームページ http://www.art-eat.com/