TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

村田森展 明石


庭の椿が蕾をふくらませています。

二月も、気が付くともう10日を過ぎて 春も間近ですね。

明石の風来さんから、「村田森陶展」の器たちの写真が届きました。

さっそくご紹介します。

落ち着いた雰囲気の二階の間には、山土の薪窯焼成の器を中心に、
そして一階ギャラリースペースでは、染付、白磁などを中心に展示しています。

わたしがこの場に居合わせたのは数日前のことですのに、もう「懐かしい」気持ちになるのは、写真ゆえのことでしょうか。


白磁のそば猪口、美しいですね。

小皿も、めし碗も、鉢も。

どこにでもあり、そしてどこにもないような、ある美しさが映し出されています。

村田森という作り手の、厳しく作られた器。その、ものの存在の確かさを、こうした写真からも感じられます。



写真に映し出されるのは どんな写真にも言えることですが、「現在」よりほんの少し前の「時間」ですね。

記憶のなかに留めた時間は、すぐに「過去」のなかに消えていきます。

デジタルの写真であっても同じこと。

映し出されているのは、過ぎ去った「時間」です。

泡のように瞬く間に消えていくそれらを繋ぎ止める「何か」を求めて、
人は、印画紙に記憶を留める「写真」という技術を生み出したのではないでしょうか。

器は、食べる道具であり、それ以上でもそれ以下でもないものですが、

わたしにとっては、かげかえのない、何よりも愛する存在です。

展覧会という、非日常の、限定された時間と空間で 器と人が出合うこと。

ものを売るとか、買うとか、そういうことではなく、人とモノの幸福な出会いが生まれる場所として「展覧会」というものを、伝える者として、心を高くしていたいと思います。

森さんの器、写真から伝わるでしょうか。




村田森展    明石・ギャラリー風来

2009年2月7日〜14日まで。

 (DMには13日までとありますが、14日まで器をご覧いただけます)

くわしくは 明石 風来のホームページをご覧ください。http://fuuki.cocolog-nifty.com/blog/



関西の皆様、ぜひ 明石へお出かけください。