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昨年12月に大阪のブックギャラリー「イトヘン」で行われた「吉岡萬理カルロス君展」。
この展覧会が進化して、来月5月に「吉岡萬理 カルロス君と色絵の世界展」が東京・馬喰町ART+EATで行われます。
イトヘンでの、吉岡萬理+祥見知生連載コラムが再開しました。
萬理さんの楽しく、明るいエネルギーが感じられるコラム、そして、わたしも相手が萬理さんとあって、とてもリラックスした文章を書いています。
よかったら覗いてみてください。
つい最近、そこでも書いたことですけれど、萬理さんの器の大きな魅力は、朗らかさです。
2005年に『うつわ日和。』を書いた当時、横浜にお住まいの女性から問い合わせをいただいたことがありました。
「お茶の器」の章で掲載した「赤絵のくみ出し茶碗」の作者が、以前自分が購入した黄色い花の色絵の器の作者と同じでは?と、おっしゃるのです。
その方が以前購入されたお店の名前と、絵柄について お聞きし、奈良の萬理さんにさっそく問い合わせすると、その女性が正しく、その器の作者が間違いなく以前に萬理さんで、過去に作られたものであることがわかりました。
その後、その女性からご丁寧なお手紙をいただきました。
そこには、自分がどんなにこの器に助けられたか、が綴られていました。元気がなく落ち込んでいるときにも、萬理さんのひまわりの絵付けが、こころを温かくし、自分を励ましてくれたのだ、と。そして、できることなら、同じ黄色い花の色絵でめし碗と、どんぶりを作ってもらえないだろうかと。
その手紙は、大変こころがこもったもので、わたし自身、何か力になって差し上げたいと思ったものです。
萬理さんはそのリクエストに快く応じてくださり、それから数ヶ月後、無事に器をお届けすることができました。
このことは、いまもわたしの心に残っています。
器を愛することは、器と自分の「ものがたり」を作ることなのではないかと思います。
音楽を愛したり、季節の花を愛したり、誰かを愛する気持ちと同じように、器を愛する。
「かろやかに日々を省みるとき
いつもこの器があったと
そう思える器を使いたい」
『うつわ日和。』の第一章に書いた結びの言葉です。
5月7日に初日を迎える「吉岡萬理 カルロス君と色絵の世界展」では、萬理さんの色絵の魅力をたっぷりとご覧いただきます。
吉岡萬理さんの色絵の作品からは、生きていくことはこんなに朗らかで素晴らしいことなんだよ、あるがままでいいんだよ、というメッセージが伝わってきます。今回の展覧会はそんな「吉岡萬理の色絵の器」の集大成のような位置づけで、これまで発表された器の秀作をご覧いただけます。
萬理さんのHPに登場するちょっと不思議な色絵の器たちに会える、またとないチャンス(?)です。
ぜひお出かけください。
ちなみに大阪で行った「カルロス君展」の初日にいらした方が、展覧会会期中に3度もいらしたそうです。「吉岡萬理の色絵」の魔法ですね。ぜひ実物をご覧ください。
●「吉岡萬理 カルロス君と色絵の世界展」 馬喰町 ART+EAT
2009年5月7日(木) 〜5月23日(土)
11:00〜19:00 金曜日は21時まで
日月休廊 会期中休み 5月10日・11日・16日・17日
最終日は17時まで
関連イベント
5月9日(土) 記念イベント
『カルロス君を想う』野菜料理とライブ「カルロス君のうた」発表会
カルロス君のうた (作詞:shokentomoo 作曲:武徹太郎)
18時受付 18時30分スタート
会費 3000円(税込)
●うつわ祥見の新しい空間 utsuwa-shoken onari NEAR が5月1日オープンします。
「よい器は、ここに来れば いつでも会える」
そんなお店になりますように。
鎌倉の裏駅から徒歩4分ほどの、「御成通り」の端っこです。
時間がゆっくりと流れているこの通りで、「器を伝える場所」を。
器を通じて新しいものがたりが生まれたらいいなぁ・・と思います。
また多くの方と出会えることを願っています。
●うつわ祥見の次回展覧会は木工家・須田二郎さんの木のうつわ展です。
2年ぶりの個展です。4月24日〜4月30日。初日に須田さんが在廊予定です。
●ただいま、セツローのものつくり展が
東京・国立新美術館 地階 SFTギャラリーで行われています。
2009年3月18日〜4月20日
くわしくはこちら→ http://www.cibone.com/sft/sftgallery.html
セツローさんが4月15日に在廊することが決定しました。
くわしい時間についてはまた改めてお知らせします。
東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館B1
TEL: 03-6812-9933 FAX: 03-5775-4670
10:00-18:00 (金曜日のみ20:00まで)
毎週火曜日定休(祝日又は休日に当たる場合は開館し、翌日休館)
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