TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

フライパンで作ったパンケーキのような言葉


人はごはんを食べる、この当たり前のことを繰り返していくことが日常だ、と感じる瞬間が、ときどき訪れる。

何も大げさなことはなく、淡々としていて、一瞬のうちに消えていくような「ほんとうのこと」だ。

真理という言葉はあまり使わず「ほんとうのこと」と言いたい。この、平仮名の7文字に向かって正直でありたい。

店にいると、時々、あなたが選んでいるものは好きか嫌いかでしょう、と訊ねられる。

わたしが選んでいるものは、もちろん、「好きなもの」である。

けれど、一方で、人が生きていく道具としての器に必要なことは何か、ということを考えることを忘れずにいたいのだ。


朝起きて、卵と牛乳を入れたパンケーキをフライパンで焼き、食べて、縁が二箇所も欠けているカップでコーヒーを飲み、パソコンを立ち上げたら、上のような言葉が出てきたので、「冷めないうちに」書きました。フライパンで作ったパンケーキのように、でこぼこと形も美しくはないけれど、まぁいいでしょう、という気持ち。

今日は午後からNEARへ行きます。「白と、影と展」開催中です。

器を愛するみなさま、暑い日が続きますが、今日も一日、器たちとこころ健やかにお過ごしください。

札幌・チョロン本店での「うつわハートフル展」は明日15日まで。どうぞお出かけください。