TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 あるべき「場所」に

新しい月ですね。

もう、今年も6月です。早いです・・・まったくです。

うつわ祥見の新しい空間 onariNEARも オープンから1ヶ月になりました。

わたし自身は毎日はNEARに行ってはおりませんが、店にいるとき、たまたま入っていらっしゃった方々とお話をすることは、とても刺激的で、楽しいです。

先日もふらりといらした実年男性の方と、最近の『芸術新潮』で取り上げられた記事の話をしました。話は器の形におよび、東京で開催されたルーシー・リー展で流されていたインタビュー映像の面白さについても、色々とお話しました。

特に会話をかわさずとも、器を一つひとつ 丁寧に見ていただく方の様子を見ていますと、この空間を作って本当によかった、と思います。

オープン記念展が終わり、今日から展示替えをしました。

須田二郎さんの木の器や、先日個展のあった横山拓也さん、吉岡萬理さんの色絵の器なども、並びました。

わたしの展示の方法は、ごくシンプルなものです。

それは、一言で言うならば、「その場所」を五感を使って「探す」ということです。

より器というものを「感じて」いただけるように、一客一客の器、その「顔」を見て、その器のあるべき「場所」を探します。

その場所が見つからなければ、気持ちが落ち着かないのです。

モノには、そのモノがあるべき場所がある、と信じます。

ただ漫然と並べることは性分ではないですし、そうあってはいけないと思います。


作り手が身体を使って作った器です。

それを、伝える。

ギャラリーや、器の店は、その器たちを手渡す場所です。

滞っているのではなく、つねに清らかな空気が流れる場所でありたいものです。

昔、資生堂のデザイン部の方が自分のデザインの生まれる「源」をたとえて、言った言葉。

「止まっているのではなく、常に水が流れているように」

器という、動きもないものを、どうしたら滞ることなく「清らかな流れ」のなかで伝えられるのか。

わたしにとっては大きなテーマです。