TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

 雨の朝に


4月と思えぬほど 冷たく寒い雨の朝。

家人が風邪をひいたので、朝のコーヒーを入れてもらえず、

自分で午前10時に一人でコーヒーを入れて飲みます。

窓の外の、ウッドデッキで 今年もシンビュジウムが見事な花を咲かせました。

「これからは葉蘭としてたのしみましょう」と苔丸の光太郎くんが植え換えた鉢。


撮影用にスタジオで使われたものを、家人が譲り受けて持ち帰ったもの。

普通は室内で育てる植物です。

外でこんなふうに見事な花を咲かせるのは 植物に詳しい方でも 少し驚かれる。

わたしはこの、窓の風景を見ながら、毎日毎日 どんな日も 朝食を食べ、夫の入れてくれたコーヒーを飲む。

そんな毎日がずっと続いています。


きのう、NEARは定休日でしたが、スタッフの神田と打ち合わせ。

夕方から逗子のシネマ・アミーゴでお茶をしながら 打ち合わせ・・。

ぼつりぼつりと話をしながら、

器を伝える未来の話を。

「食べる道具」としての器を、伝える話を。


「展覧会」とすると、大きなことになってしまうから、風呂敷一枚に包めるくらいの器とともに旅をして、
各地で器の話をしながら器を伝える仕事もやっていきたい、とわたしが言うと、

「いいですね」と神田。

「ヤノアキコさんの出前コンサートみたいにやれたらいいね」と盛り上がりました。

もしくは、中川ワニさんのコーヒー・・かしら・・・と、丁寧に入れてくれたカフェオレを二人で飲みながら。

まだ行っていない土地で まだ会ったこともない人と、器とともに。

そんなことを夢に思います。


鎌倉のNEARがお蔭様でもうすぐ一周年を迎えます。

いっぷう変わった(ショウケンさん、どうしたの?とすでに見た方に言われる) 案内葉書が届くと思います。

また、くわしく DMの話などもここに書いていきます。


各地で冬のような寒さが続いて 体調を崩される方が多いと思いますが、

どうぞお元気で。

器とともに、こころあたたかくいたしましょう。

雨の日は、好きな音楽をかけて 好きな器でお茶などしながら 
外の緑を眺めていると 静かで幸せになります。


つらいこと、悲しいことがあって、こころが疲れてしまっても、

その「辛さ」や「悲しさ」「怒り」に囚われない。

いっとき、その感情が自分のところに来ただけ・・と思って、
こころの中からその感情を取り出して テーブルに置いてみる。

「辛さ」や「悲しさ」を客観的に見つめてみる。そして静かなこころを取り戻す・・・

そうして こころ平らかに過ごしたいのです。

日々の平穏が大事と思うのは

いまも世界のどこかで起こっている戦争や、かつて日本が戦った戦争というものが

世界政治の大きな場で行われたというよりも、いまのわたしたちが「フツウに家族と暮している」日々のなかで行われ、
取り返しのつかない悲しみを引き起こしてきたことを感じるのです。

一人ひとりのこころの平穏が、やっぱり、何よりも大事、と思うのです。


今日は午後に打ち合わせで出かけてきます。

みなさまも、器と、よい一日をお過ごしください。