TOMOO SHOKEN

うつわとともに 祥見知生

能登・輪島へ

例年より早い梅雨入りとなりました。

鎌倉は今日、夕べからの雨がしとしとと降り続いています。

日曜日、久方ぶりに、能登半島の輪島へ行ってきました。

秋に予定している「ごはんのうつわ展」の打ち合わせです。

輪島のうつわわいちさんは、青木亮さんのご紹介で 度々 お話をさせていただいていました。

輪島は、雑誌などに文章を書いていた時代に、何度か訪れたことのある土地ですが、それも15、6年前のこと。

新しい能登空港に降り立つのが今回初めてでしたので、とても楽しみにしていました。

出発の日曜日は雲ひとつないという表現がふさわしいほどの快晴。能登空港から、わいちの海守さんの友人で、伝統輪島塗を代々継がれている塗師の「蔦屋」さんの佳子さんの車で、新緑に囲まれた道を走りました。

能登空港はこじんまりとした小さな空港ですが、なんというか・・・余計なストレスがなく、すっと飛行機に乗り、すっと飛行機から降りて・・・という、なんとも気持ちのよい空港です。(最近の巨大空港は、歩く距離が長かったり、ゲートがわかりにくかったり・・・とてもストレスを感じます)

まるで、バス停でバスを待っていたら時刻通りにバスがやってきて、荷物を持って乗ったら、走って、そのうち目的地に着きました・・・みたいな感じ。
意識の緊張がない旅、というのは、まことに穏やかで精神上よい感じです。

初めて訪れたうつわわいちさんは、朝市で有名な輪島のメイン通りの延長線上にある「わいち通り」にあります。

「小さなお店でしょう」と海守さん。

わたしは、何よりも、そう言う海守さんの人柄があふれ出すよいお店だなぁ・・・と思いました。

本当に気取りのない方で、言葉に嘘がないので、訪れる方に、何かを勧めるときにも、とても自然です。

しばらくお店にいて、海守さんとお客さんのやりとりを見ていました。

その後は、ごはんのうつわ展でのイベント会場を提供してくださる 漆器ギャラリー蔦屋さんにお邪魔して、地震で倒壊した土蔵を、一流の職人さんたちの手によって改修されている様子を拝見。培ってきた伝統の中で、守りつづけてきたものの重みや、蔵にかける思いに、心打たれるものを感じました。

その日は、塗師の赤木さんのお宅へお邪魔したり、海守さんと一緒に美味しい海の幸をいただいたり。お宿は、輪島に行くと言ったら、いろいろな方に勧めていただいた民宿・深三に泊まりました。

翌日の朝市、やっぱり、働く女性たちの顔が美しかったなぁ・・・。

「どこから来たの? 鎌倉? イヤー遠いところからよく来てくれたね。みょうが食べる?じゃあ、みょうが、サービスするから少し持って行ってね」

輪島のごはんの器展は、11月に行います。「またきますね」と言うと、朝市のおばちゃんは笑顔で手を振ってくれました。


うつわ祥見の次回企画展は、「村田森 器展」です。

京都で作陶している村田森さんの、うつわ祥見の初個展です。

6月6日〜6月13日まで。会期中は無休です。