小山乃文彦陶展にて
こんぱんわ。
五月の気持ちのよい晴れた一日。
小山乃文彦さんの在廊日。 北海道・札幌から、九州は福岡からいらした方ともお会いすることができました。
2月以来3ヶ月ぶりの開廊となったうつわ祥見の空間は、器を愛する方にお訪ねいただいています。
皆さん、ゆっくりと器を選び、気さくな小山さんとの会話も楽しまれていきます。
写真はきのう初日の様子です。
手に馴染み、使い心地に定評のある粉引きめし碗です。
今日もFMの番組での話を聴いて訪ねられた方がじっくりと時間をかけて
一つひとつ手に包み、選んでいかれました。
プライベートギャラリーという言葉は、デザイナーの坂川栄治さんの著書『写真生活』のなかで知った言葉です。
ニューヨークでしたか・・アメリカで、写真のギャラリーの形態として、完全予約制の「プライベートギャラリー」があるのです。
その響きに思い描いたのは、その「場所」が、
オーナーの「伝えるモノ」への「愛する気持ち」にて成り立っているのではないか・・ということです。
うつわ祥見の空間は、お出かけいただく皆さんと、そして伝える側のわたしやスタッフ、
そして何よりも「器が主役」の空間であってほしいと願っています。
よい器との出会いが生まれる場所として、
この、鎌倉のはずれの小さな空間を大切に思ってくださる方がゆっくりと足を運んでくださる。
そんな「プライベートギャラリー」であるように、と。
「一本の道に向かっていく」「目指したいところとは・・」
可能性の秘めた粉引きという表現について、「うつわ」というものについて、
昨日から小山乃文彦さんと、話し続けています。
展覧会の作家在廊日は、使い手の皆さんにとっても 作り手の方と直接会える機会ですが、
わたしにとっても、作り手と膝を交えてじっくりと話す貴重な時間です。
今回も、常滑からいらした小山さんと、鎌倉で さまざまな器の話をしました。
小山さんの作られる「粉引き」は近年変わり続けています。
その試行錯誤の上に少しずつ・・・。
かろやかでありながら、モノの存在としての「器のあり方」の方向性が伺える。
今回の器たちも、その仕事ぶりがこころに響きます。
『日々の器』(河出書房新社)の表紙となった粉引き皿も出展があります。
ぜひお出かけになり、ご覧ください。
小山乃文彦陶展は5月20日まで。会期中は無休です。