深田容子さんの冬支度のうつわ展が始まりました。
こんにちは。
うつわ祥見では今年最後の展覧会「深田容子 冬支度のうつわ展」が始まりました。
鍋や耐熱の皿、粉引き、灰釉、
200点を超える器たちが集いました。
グレイ粉引の鍋、黒鉄釉の鍋、刷毛目の鍋・・・。
大きさも釉薬もかたちも、それぞれが一点ものの鍋や、耐熱パンなど。
写真でご紹介します。
耐熱の器は、オーブン料理や、すき焼きなどにも使えます。
上の写真の黒の鍋は、使いこむと、艶が出てくるもの。付き合っていく楽しみが広がります。
深田さんの器には、色合いや佇まいが、ヨーロッパの古い家並みで大事に使われてきたかのような懐かしいさ、郷愁に似た感情を想いおこすのです。
それが、きっと、どこの国にでもある家族の集う「食卓」のイメージと重なるのでしょうか。
深田さん自身は家で4つの鍋を使っているそうです。
どんなふうに使われているのですか?
「ごはんを炊いたり、グラタンやじゃがいもなどのオープン料理、蒸し野菜などですね」と深田さん。
わたしも茨城県の龍ヶ崎の工房へお邪魔したときに、深田さんの手料理をご馳走になったことがありますが、
土ものの器のしっとりとして育った姿ももちろんのこと、使い込まれた鍋たちの、なんとも言えない「存在感」、誇らしげな顔を思い出します。
その様子は 『日々の器』(河出書房新社刊)に紹介してありますが、
なんて表現したらよいのでしょうね、やはり、毎日の時間で活躍している道具は美しいなぁ・・ということですね。
たぶん、鍋は一年のうちでシーズンがある「季節もの」という捉え方が一般的なのでしょうが、
深田さんの工房を訪ねて感じたのは、「土鍋って、一年中 使えるものなんだ」という驚きでした。
重さや、食卓へ溶け込む色やかたち、使い勝手を大切に鍋を作られている深田さん。
女性の作り手ならではの、優しさや、使う方へのいたわりの気持が、器に現れているのを感じます。
「冬支度の・・」は、一年を愛する気持をさらに慈しむ、そんな気持でつけた展覧会名です。
春を待つあいだの「冬」という時間に、出会いたい器たち。
ぜひ多くの方に深田さんの仕事をご覧いただきたいと思います。
深田容子 冬支度のうつわ展は12月16日まで。 会期中は無休です。
どうぞお出かけください。