村田森 染付展
こんにちは。
7月9日土曜日の朝です。
蒸し暑い鎌倉、少し動くと、汗がじんわりと皮膚にまとわりつくように感じます。
湿度が高くて 蒸すんですね。
なのに、関東は梅雨明け・・と発表されたとか。
ずれているのは自分なのかしら・・と首をかしげながら、家仕事をしていました。
7月。
楽しみに待っていた展覧会がありました。
七夕の日。鎌倉の常設店 NEARで 7月7日に初日を迎えた「村田森 染付展」です。
大変多くの方にお出かけいただき、NEARの硝子ごしに、中にいるわたしが見えなかったくらいの人ひとひとひと・・
一度訪れて断念し、また時間を置いて来てくださった方も多かったそうです。
村田森さん自身も、京都から朝の新幹線でいらして、店のあまりの混雑ぶりに 店内にしばらく入れなかったそうで。
私は私で、会計を済ませるために並んでくださった皆さんに お詫びをしながら、
粗相のないように、いつもと変わらず丁寧に応対できるようにと心がけておりましたが、
そこは、いつもの皆様のあたたかい寛容な心に随分、助けていただいたように思います。
皆様、本当に どうもありがとうございました。
この場で、心より感謝申し上げます。
初日の賑わいは、ある程度、覚悟をしていました。
森さんにもそう伝えていましたが
「こんなに人が来てくださるとは・・・」と彼自身も驚いていらっしゃいました。
札幌や名古屋、福島、新潟・・・・遠方からお出かけくださった皆さんも大勢いらっしゃいました。
皆さん、この展覧会を、本当に楽しみにしてくださっていたのですね。
ありがとうございました。
森さんにとっても、初めての「染付展」でした。
「染付だけ・・というのは、実は、かなりのプレッシャーでした」とその日の夜に、そう言われて笑っていました。
陽刻と染付を組み合わせた新しい表現や、吉祥天や不動明王、「あ、うん」の狛犬など、新しい絵柄ものびのびと皿の上に活躍しています。
網目文様の何気ないめし碗やどんぶりも、力が抜けていてなんでもなくてとてもいい・・・。
時間がいくらあっても足りないほど、飽きることなく見入ってしまう・・魅力的な染付の器が並びました。
さて、うつわ祥見のDMでは、裏面に、この展覧会によせて紹介する短い言葉を書きます。
いままで、ずっと、なにかしらの言葉を書き続けてきました。
しかし、今回のDMでは、あえて、何も言葉を書きませんでした。
とてもシンプルに、蕪の図案の染付の皿。そしてタイトルの「村田森 染付展」。
それだけの葉書を作りました。
HPでは次のような短い言葉を書きました。
2011年。
この夏に、この展覧会をNEARで行なうことができたことは、
何よりも、大きな喜びです。
村田森さんという稀有な「うつわびと」の
染付の器の展覧会です。
多くの言葉は必要ないことでしょう。
どうぞゆっくりと、細部にいたるまで、
そしておおらかな、絵ごころ・筆ごころまで、
ご覧くださいますように。
いま初日を迎えて、すべての器を目にした者として言葉を紡ぐなら、どんな言葉が出てくることでしょう。
短い言葉を並べてみると、
潔さ。美しさ。確かさ。ひたむきさ。そして・・・
この日記でも、正直、言葉がうまく出てこないのです。
そして、そのことが、一筋縄ではいかない深い、器の魅力であると、私はいま、うっすらと、感じています。
いずれ、きちんと、「村田森」といううつわびとの仕事。そして彼の言葉自身も、きちんと皆さんに伝えられる場を作ります。。
「自分は食器屋という言葉を誇りに思うて作っている」という印象的な言葉など・・・。新たに向かいたい仕事についても。
近い将来、皆さんにお伝えできるように思います。
でもまずは・・・ぜひ、この機会に、染付展 ご覧ください。
細部にいたるまで、そしておおらかな・・・村田森さんの2011年夏の仕事を記憶にとどめていただけたらと思います。
お出かけください。